【演劇ワークショップ】稽古場日誌②

【演劇ワークショップ】play room第3期
稽古場日誌
「役者とは、演技とは」
第2回 泣く


いつも通りなら、稽古が終わり帰って来てなるべく早いうちに稽古場日誌を書くのだが、それが今回は出来ない。
何故なら、頭と身体が非常に疲れるから。前回第一回目の後仕事に行ったのだが、余りに疲れすぎて仕事にならなかったので、今回からは稽古日は休むことにした。
それでも家に帰ってきて少なくとも1時間位は横になって動けない(動きたくない)状態が続く。くらい疲れる。ま、年齢的なコトもあるんだろうけど。
で昨日はいろいろあって、2日後に稽古場日誌を書いている。

本日2回目。
講師世莉さんはいろんな言葉も用いて、表現を駆使してたくさんのパターンで例えて説明してる。
それを聞くだけでもしっかりとした勉強学びになる。
それを自分に刺さった言葉を必ずノートに書き留めておく。
 今回は、

勇気は怖いけどやってみるコト
怖さは経験で克服出来る。
実感が持てなかったら、実感を優先する。
あるもの(心に)をしっかり伝える。呼吸しながら。
逃げてもいい。

等々。
人と関わるコトがマイズナーテクニック。そしてマイズナーテクニックは目的ではなく手段。
毎日がホントに学びの場になってるのは凄く有難い。

そして、前回言われたコトの補足を。
マイズナーテクニックにおける「演技とは」という文章がある。コレが本当に私的にはモヤッと分かっていたのか、感覚でやっていたコトを言語化してくれたので凄く晴れました。

Acting is 
Reacting(反応する)

Feeling(感じるコト)

Action(行動するコト)

Communication(関係するコト)

この4つを行うために、俳優は常に自分の身体、楽器を使える状態にしておかなければならないとマイズナーさんは言っています。

というコトで2回目の稽古。
本日から合流する方の自己紹介から始まって前回のおさらいをしてマイズナーテクニックの練習法リピーテーションへ。
まずはリラックスから。
横になった身体の隅々まで意識を渡らせ、今の自分の身体はどうなのかを確認しする。疲れが残っていて重い、いつもより関節の部分が痛い。頭をとろけさせたらどうなるだろうと世莉さん。やってみたらものすごく気持ちよかった。
そして想像する。
今回も子供の部屋。そして衝撃的だったコトを思い出してみよう、となった。
私はある光景が思い出される。思い出したくない光景。だが、それは子供目線でもあり、今の自分目線でもあり。子供目線の時はネガティブしかなかったのだが、今の自分目線では、何故か可哀想だなって思えて泣きそうになった。同情共違う何かの共有か。
そしてリピテーションに入る。
すぐ近くにいた方が相手になってくれた。泣いていた。悲しんでいた。私はどちらかと言うと怒りに近い悲しみのような複雑な感情だった。
言葉のリピートをしていく。そのうちに感情を吐き出していたら、相手は聞いてくれるし、私も聞いている。私も泣いた。でもそれはどちらかと言うと相手に引っ張られての感情だったように思う。吐き出していたら共有出来たように思った。この感覚が少しづつネガティブな感情を無くしてくれた。
ほぼ同じくらいに近づきたいとなって近づいて、手を握り会い、安心したって言葉が出た。
そしたら相手がお腹空いたと言ったのが全く同じで私もお腹空いたと言ってからお互い笑った。立って見る。離れてみる。あ、やっぱり近い方が心地いい。いい距離が見つかる。座ってみる。お腹空いたってまた言い合う。笑う。
前回のネガティブ感情とは違うが、ネガティブからこんなにスッキリとする流れもあるのか、と私的には凄く嬉しかった。

お昼休憩後、本日二回目のリピテーション。
リラックスからの想像。今回はおもちゃで遊ぼうだった。子供の頃どんなおもちゃで遊んだか、そのおもちゃの質感は?おおきさは?かたい?柔らかい?世莉さんの言葉にどんどん目の前のおもちゃが具現化されていく。私はウルトラマンの怪獣のソブビ人形2体で戦わせながら遊んだ。ひとり遊び。当時ほんとにこの遊びが好きだった。部屋でも公園に持っていってもバルタン星人とレッドキングをずっと戦わせて遊んでた。ものすごく楽しかった。
それからそのおもちゃで遊びながらリピテーションに入る。
目と目があった相手に怪獣2体を自慢する。直ぐに分かってくれてスペシュウム光線を出してくれた。やられる怪獣。でもすぐ復活して相手に怪獣を向けたそのうちの一体が取られた。なんで?追いかけて取り柄そうとするが走って逃げたり。外脱げようとしたり。いじめっ子だった。ここで1人遊びに加わる。3人で遊ぶ。で、水場に怪獣を持っていかれて水をかけられた。水浸しの怪獣が可哀想になったが、何故かそれを洗ってくれた。水浸しになった怪獣を見て笑う3人。そしてまた2人になる。相手が持っていたおもちゃは大かなキリンのぬいぐるみだった。跨ってみたりするが直ぐに飽きて蹴ったり投げたりしてた。好きじゃなかったのかな。そのうち後ろで多めの人数で遊び出した。それがものすごく楽しそうでその輪に加わる。縄跳びをする。
ほんとに自由な時間だった。
前回はみんな泣いている人が多かったなか、今回はみんなが楽しそうで嬉しかったリピテーションだった。

3回目のリピテーションへ。
リラックスは今までほど時間は使わず短めに確認。
想像は今回はペットを思い出そう、だった。ペットを飼っていなかった人はペットが居たらどんな動物を飼うかを想像して、との事。
私はペットは飼っていなかったが、一時期保護猫カフェに行ってた時期があり、そこで一目惚れした猫を想像する。ズラを被ったような顔の柄からズラさんと呼ばれた老ネコ。愛想も悪いし、特に可愛くもなかったが大好きだった。それから週に2回くらいズラさんを見に通って、オーナーさんとも仲良くなって讓渡寸前まで行ったのだが、体調を急変させてしまい亡くなってしまった。結構長かったズラさんロス。
今でもハッキリ顔も模様も覚えていた。あまり撫でさせてくれなかったが、それでも後半は少し撫でさせてくれたり膝の上に乗ってくれたり。思い出して行くうちにズラさんがいる嬉しさと亡くなった悲しさが入り交じる。だが、ズラさんがいてくれるコトの方が嬉しかったからポジティブが少し勝っていた。途中世莉さんがペットが居なくなったから探そうと言い出した。私も保護猫カフェの中を念入りに探す。声を出して、呼んでみてと世莉さん。みんながそれぞれ名前を呼んだり声を出したり。無事見つかりました、と世莉さん。その後散歩に行きましょうと。でも私は猫だったので散歩には行かないだろうと、膝の上のズラさんをずっと愛でていた。
そこからリピテーション。
ポジティブが勝ってはいたが、もう会えない悲しさもあってネガティブもかなりあった。
相手と目が合った。その人は固まってもいた。震えているようにも見えたし怖がっているようにも見えた。
言葉のやり取りもネガティブな言葉が続く。そのうち自分のネガティブより相手のネガティブの方が凄く気になったから知りたかった。どうしたのって思った。だから近ずきたいと言うと近ずかないでという。
だが、離れると離れないでと言う。そうしているうちにどんどん涙が溢れてくる。固まっている。声を出して泣く。二回目のリピテーションの私のような感じに見えた。
世莉さんが来て相手の背中を擦りながら深呼吸してとアドバイスしながら解す。私も声をかけるが、私も声を出すだけにしようとなって声を出し続ける。少しづつ近ずいて手を取り肩を触り、大丈夫と伝える。いなくならないでと相手は伝えてくる。
その間ずっと世莉さんは相手の背中を擦りながら一緒に呼吸をしてくれていた。私も当然泣いていた。
リピテーション終了。
相手の負担はそうとう大きかったのだろう。私の時もそうだったから凄くわかる。なかなか起き上がれなく意識も戻るのに時間がかかっていた。

身体と感情に身を委ね解放する。
怖いと感じるコトも正直あるが、しっかりと委ねればいろいろな感情が湧く。私は最後のリピテーションの相手に何かのすごく大きな感情が湧いた。それが言語化するのが出来なかった。可哀想とか知りたい解りたいとかじゃない。
それを伝えたかったが、伝えられなかったのが悔しかった。その感情はなんだったんだろう。ネガティブではなかった。相手を思い出た感情。

コミニケーションの時間を経て本日の稽古も終わり。
たった2回の稽古の中でどれだけの感情が動いているコトか。
それをどうキャラクターに生かしシーンを作るのか。
全く想像できない。
が、今はリピテーションをしっかりとやっていく時間。
まだ2回目。出来ることを出来るだけやっていく。経験が怖さを克服してくれる。
やってみる、やってみる、やってみる。

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