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人間と桃


冬は夏のことを考えてしまいます。

暑いのは嫌だけど、縁日だとか風鈴だとかノースリーブのワンピースだとか、そういう概念は好きなのです。

それに、夏には桃があります。


暑い夏の日には、もう汗でべたつく体を捨てて桃になってしまいたいと思います。

桃になればかわいいし、瑞々しいから涼しくなると思います。



昔の人が、花のようになりたければ花を食べればよいと言っていました。花を食べれば肌艶が出て、頬は染まり美しくなるようなのです。



でも、そんな同物同治を鵜呑みにして桃ばかり食べたら、きっと死んでしまいます。桃娘なんて都市伝説だし、、それに慰み者になんかされたくないし、ね!


去年の夏はできるだけ桃を食べました。今も人間のままです。

でも、古代の医学書に「人間は五臓が整っていると桃のような香りがし、唾液は桃の蜜のようになる」と書いてありました。



私の半分はもう桃かもしれません。



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