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私の上司たち②

「A先生は嫌だ。とにかく、手がかかる。我がままだし」

 仕事とは関係ない、同窓会の手配をさせられたり、遠くの駅に忘れたものを、取りに行かされたり。毎月毎月、先生の飲み代を払いに行くのも私たち秘書の仕事でした。

 

そんなA先生でしたが、何故か私とは相性が良く、先生から言われたことは素直に従えました。

先生が「あ」といえば、「ん」とは言えませんでしたが、「は」くらいまでは言えたような気がします。

困ったことに、自分のやりたくない仕事は全部秘書任せだったA先生。。。

A先生はどうしても被害者宅に行くことができなかった(行きたくない)ようで、私に示談金をもって示談書にサインをもらいに行けというのです。

 被害者宅に行くと、被害者女性の親御さんに

「私は、絶対許せません。親としても、それ以前に女性として。」と言われました。

私はひたすらに、頭を下げ

「おっしゃる通りです。私も女性として同意見です。」

と言いました。

すると、いたく感動され、

「遠いところ本当に大変でしたね。ありがとうございます。気を付けて帰ってください」

と言われました。

 

そのあとの記憶はありません。

 

とにかく、フラフラになりながら事務所に着いたのだけは覚えています。

 これを同業の事務員にいうと
「その先生は鬼!」
と言い放ちました。。。



忘れられない。。。トラウマになりそうな。。。仕事でした。

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