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#69 売る私と造る私

昨日から新しいマンションリフォームが
スタートしました。


このお客様とは深いご縁があって
かれこれ20年に渡りお付き合いいただいて
おり、感謝以外の何物でもありません。

ご主人が設計事務所にお勤めで
奥様がフリーランスでお仕事をされている
このご夫婦の知的レベルはかなり高く、
四苦八苦、しどろもどろ、ドキドキの
打合せ期間が終わり、何とか着工に
たどり着きました。

解体途中の様子

自分の仕事スタイルを向き合って考えてみる


建築業のなかでも住宅リフォームは
小ぶりな仕事が多いので通期一貫で
一人の人間がすべてを仕切るスタイルが
多いのです。

もちろん私もそのスタイルです。
(分担するほどの人がいません)

となると・・・、
所謂、営業活動、設計、打合せ、現場管理、回収という流れを経験することになります。

何が一番苦しいか・・・?
ということを考えるとやはり営業活動
なのではないかと思います。

こんな小さな会社であっても
エンドユーザー様と直接つながりを継続し
安定した受注を得るということは
かなり難しいことです。

小さな会社だから難しいことと
小さな会社だから出来ることがあって
後者に視点を合わせて、コツコツとやって来ました。

売るということを考える時に
収めるということを頭に描きながら
考えるのは良いこともあるし、その反対も
あると思っています。
何でもメリットとデメリットですね。

自分の器や得意なこと、工事チームのスキル
色々なことを考えながらしっかり責任を
持てる範囲のことを考える癖があり、
もちろん収支もきちんと計算して・・・と
堅実なスタイルが私のスタイルだと言えます。

反面、やったことがないことや
奇抜なデザイン、流行りのインテリアなどに
あまり走らない傾向があると思っています。

自分の価値観を超えられないというか・・・
住宅が生活空間である限りは、
暮らし易さが優先であり、予算を含め色々な条件も大切だと思っているからだと
時には言い訳かもしれないけど
あまり冒険出来ない部分も持ち合わせて
いるようです。

売っているのががモノではないので
造る人も含めた関わる人がお客様の為を
一番に考えられる状況をつくることが
とても大切だと思っていて

だからこその3方良しの状況を
何よりも大切に思っています。

設計の部分は楽しい、でも打合せは苦しい??

話がかなり飛びましたが、
仕事を見つける、受注する為の活動
マーケティングの部分は常に苦しいです。
頭も使うし、お金もかかります。
そして、何よりもコツコツと地味に続ける
これがしんどい・・・

でも、プランを考えるのは楽しいのですね。
自分の頭の中でモリモリとアイデアを
こねくりまわすのは本当に楽しいです。

でも、必ず相手があり予算がある!!

お客様のお話をいかに聞き出し、
見えない本音までを見つけ出し、
寄り添ってと思ってはいますが
これは相当難しいです。

造る、収めるが頭をよぎり、
いや、無理だ・・・、とか
間に合わないよ~とか変更すると
現場スタッフが見つからないかもなど等、色々なことを考えてしまいます。

営業だけ、設計だけ、工事管理だけと
分担されていれば、こんな苦しみはないのか?
などど思いますが、両側を知ればこその
やりがいというものもあります。

現場がスタートする瞬間は心の中で泣いている?

なんで?と思うかもしれません。
この涙は心の中だけのものです。
そして、うれし涙に近いものがあります。

現場スタッフがやってきて、
自分の書いた設計図や指示書等を見ながら
ワイワイと打合せをするのを見ながら
やっとここまで来たのだという安堵感が
溢れてくるのです。

現場のメンバーは頼もしく、
心優しい・・・?
一人で背負ってきた重圧を分け合って
くれる様に感じるのです。

もちろん、そんなに甘くはないし、
最終の責任は自分で負う覚悟は出来ていますが、それでも大きく安堵感が湧いてきます。

さあ、今日も頑張らねば!
売る私は造る私でもあり、
この苦しみがあればこそ、喜びも大きい。
葛藤を乗り越えて、成し遂げた時の
喜びは中毒性がありますね(笑)

おお見送りワンコ





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