【バックギャモン】最後の「お祈りタイム」を迎えるために

課題ポジション

この局面で白は「黒をヒットできなければバックギャモン負け」まで見えるところまで来ています。かなりまずい状態ですが、ヒットすればまだチャンスがあるかもしれません。そのために最善を尽くすのがこの局面で考えることです。
このような「普通にやっても(ヒットできなければ)ギャモンセーブできない」という状況であれば、ここで考えることは「ヒットしたときに相手が困る形を作ること」です。したがって自陣3~7ポイントの5プライムに手を付けてはいけません。ここを壊すと自陣が弱くなって相手が少し安心します。ここを残して「おどし十分」な形を残しておきましょう。
・崩しても(アウターから2枚入れても)ギャモンセーブが十分狙えるならそれでも良いでしょう。

そうなると大きな選択肢は3つです。
・アンカー2か所をそのまま残す(8/3)
・アンカーを1つだけはずす
・アンカーを2つともはずす

こういう場合にも「原則論」は存在します。

原則論1:「相手の駒が1か所にしかなく、その前にアンカーを持っている」ならば「アンカーを外せるならはずして1枚残す」
このことから、いずれにしてもアンカーを外すことと、外した場所には1枚残すことが確定しています。このことから選択肢はかなり絞られます。
・23を外す場合、23/18, 23/20 8/6, 23/21 8/5のいずれか。
・24を外す場合、24/19, 24/21 8/6のいずれか。
・23と24を両方外す場合、24/21 23/21

原則論2:「相手の駒が3枚ならば、アンカーをすべてなくす。4枚で、今すぐバックギャモンセーブできる、または次に確実にバックギャモンセーブができるならば全部飛び出す。それ以外は前のアンカーを1つだけ外す」
相手の駒が1か所に3枚しかない形であれば、次に2枚上がれないゾロ目以外の目はすべて2か所にブロットをさらします。両方ヒットしてクローズアウトできればいきなり有利になるので積極的に狙いたいところです。相手の駒が1か所に残り4枚の場合は2枚さらすことがほとんどないので今すぐチャンスをもらえる形、つまり「小さい目を振ったら1枚ブロットが発生する」形をもらえるならそうします。ただし今すぐバックギャモンセーブができるならバックギャモンセーブをする、が良いでしょう。それ以外の場合は相手の駒に一番近いアンカーだけ外してその場所に1枚残します。1か所しかアンカーがない場合も同様です。
この原則論2に従えば「23を1枚だけ外す」で良いことになります。その場合、23/18とするのが一番良いです。8ポイントの駒はフルプライムの種ですからいったんは残しておいて8ポイントを作りに行く、が良いです。

では、ほかの手がなぜダメなのかについて説明します。
・24を外す手がダメな理由
→2を振ってくれたら確かにブロットが発生するが、これをヒットできないと即死する。次にX1を振ればブロットは残るが1ポイントに残ったブロットは必ず上がられるので厳しい。
・24と23両方外すのがダメな理由
→同上。
・両方とも外さない手がダメな理由
→次に1ゾロを振ったら外したくても外せなくなる。

明確にダメな理由がこれだけあるのですが、では、23だけ外して24のアンカーを残すメリットはなんでしょうか?
それは黒がX2を振った時にわかります。

黒が32を振ると3/0しか動かせません。この形は黒が3枚を1か所に積んでいるということになります。これはどこかで見たことがありますね。そう、クークラシックです。

次に白は3以上を振れば24の駒を外します。

この形で黒はゾロ目と21以外の1と2を振れば2か所にブロットをさらします。これを両方拾ってクローズアウトすれば白が有利な形になっているのです。

クークラシックからの目標は「悪い目を振らせて、ばらまいた2枚を打ち上げること」です。1枚オンザバーの14枚上がり相手にクローズアウトでは勝率10%未満ですが、2枚オンザバーの13枚上がり相手にクローズアウトすれば(形次第ですが)65%以上の勝率があります。それくらい打ち上げる枚数が1枚と2枚では大差になります。

つまり、最初の「課題ポジション」の段階で「どうやったら2枚打ち上げやすいか」を考えることになります。そのためには「今すぐチャンスがもらえるならもらいたい」「悪い目を振ってもらって2枚打ち上げやすい形を作りたい」ということを考える必要があります。クークラシックという形は小さい目を振ってもらえたらいきなり大チャンスをもらえる、というのを覚えておくとよいでしょう。

さて、課題ポジションは「ヒットすると勝ちまで見える」局面でした。では、「ヒットしてもほとんど勝てない」場合はどうでしょうか?

これでも23/18がベストです。ヒットすることで負けを減らすことができるかもしれません。ギャモンセーブどころかバックギャモンセーブも厳しい局面なので全力で1枚ヒットを狙っていきましょう。
・むしろこんな局面なら、ギャモンセーブできれば勝ちにも等しいです。

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