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サービス・ドミナント・ロジック

これまでは、企業は「モノ」を作って提供して対価を得る、という「モノ」に価値があるという「グッズ・ドミナント・ロジック(G-Dロジック)」という考え方が主流でした。そこでは、「サービス」は「モノ」に付随するものです。

それに対して、「サービス・ドミナントロジック(S-Dロジック)」は、経済活動のすべてを「サービス」と捉える考え方です。「サービス」には、有形の商品(これまでの「モノ」)と無形の商品(これまでの「サービス」)が含まれます。さらに「サービス」自体に価値があるのではなく、顧客が、あるシチュエーションにて適切に使用することで価値が生み出されると考えます。「使用価値」や「文脈価値」と呼ばれるものです。そのため、価値は顧客によってそれぞれ違うものになります。サービス・ドミナント・ロジックでは、企業が顧客に提供できるのは価値の提案であって、それを受け取った顧客によって価値が違ってくることから、企業と顧客が「価値を共創する」という表現になります。

レンタカーというサービスを例にみてみましょう。
レンタカーでは、企業は「サービス」として自動車を貸し出し、事故が起きた時の保険も提供します。利用者は、この「サービス」を受け取った時には価値は生み出されてはおらず、どこかに出掛けたいという目的達成に向けて、自ら運転するという行動を起したことによって、移動するという価値が生み出された、と考えます。

さらに、サービス・ドミナント・ロジックでは、「企業」と「顧客」の様に提供する側と受け取る側と役割が分かれているものではなく、「アクター」と表現して対等な位置付けと考えます。また、その「アクター」同士のサービス交換も1対1に限るものではなく、さまざまな多くの「アクター」がお互いにサービスを交換し合って価値を共創するという、サービス・エコシステムという考え方まで拡張されています。昨今のSDGsの活動は、まさしく、このサービス・エコシステムと捉える必要があるでしょう。

また、企業活動においても、従業員のひとりひとりがプロフェッショナルサービスを提供しており、それらを企業として束ねてひとつのサービスを作り上げている、と捉えることも出来るのではないか、と考えます。自らもプロフェショナルサービスを提供しているひとりの「アクター」と考えると、周りの経済活動や地域活動との関係性についても見え方が変わってくるのではないでしょうか。

【参考資料】
https://marketing-base.jp/books/5360
https://cxclip.karte.io/topic/experience_insights_09/#headline1
https://hikaru1122.hatenadiary.jp/entry/what-is-sdlogic-03
https://csmnet.com/management/csosm/2-4-%E4%BE%A1%E5%80%A4%E5%85%B1%E5%89%B5%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF/


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