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コロナという魔物

僕らは
何もできないことを嘆いた

また、なんでもない日常が
いつ戻ってくるのかわからない
この現状に恐怖した

いつの間にか
法律のように守られたマスク着用
あんなに拒んでいたものが
いつの日か日常になるのだと思うと
この国のことを気持ち悪く思う自分がいた


何もできないまま時は過ぎ去り、
いつの間にか
奴は力を無くし、
何事もなかったかのように
ニュースでは狂気溢れるニュースばかり

国のルールだけでなく
人まで変えてしまった奴のことを
許したくはないが
この怒りを
どこにぶつけていいのかわからず、
僕は旅をしようと思った

この世界は悲しみに
溢れてしまったのか

きっと何もできないだろうけど
会いに行こうと思った

友人、馴染みの街、行きつけのお店
知らないお店
僕はこんなとこで腐るくらいなら
もっといろんなことを知りに行こうと思った


死んでいたに等しいコロナ禍
ようやく歩く決断がついたコロナ禍
そんな苦しみを超えた人々は
肩を落とすどころか、
コロナ禍以前よりも
何故か活気に溢れているように感じた

街に出れば人が溢れ
週末も平日もお構いなしのお祭り騒ぎ
行きつけのお店の見習いは
しばらく見ない間に弟子を育てていた

たとえどんなに小さい一歩でも
足取りが
地面に張り付いてるように重くても
前を進んでいた僕たちは
数年前の僕らより
確実に大きな魂になった

先の見えない未来
若者は恐る
だけど今は
その先の未来が楽しみでいる

コロナを越えられなかったものたちの分まで
僕は走れるまで走るよ
どんな理不尽に見舞われても
命が尽きない限り
まだ進めるのだから

コロナは終わった
生きてるうちに
会いたい人に
会いに行こう


旅の記録
oqoq

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