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海外2年目で考える駐在員のメリット

台湾に駐在で住むようになってから、1年半が経ちました。
駐在当初非日常だった全ての景色は、いつの間にか当たり前になりました。

そしてふと最近思ったこと。
驚くほどあっという間に時間が過ぎている。

日本にいても、毎年「一年は早いなー」なんて考えていたけど、台湾に住んでから今まで、感覚値としては5,6ヶ月です。
全然盛っていない、本当に素直な感覚です。

こんなことを感じたきっかけで、自らの生活・仕事について、一人で勝手に総括をしました(まだ終わってませんが)。

そこで、当初は全然予想していなかったことも含め、駐在員のメリットだと感じたことをまとめました。

主に3点。
メリット①:平社員が、マネジメント業をできる。
メリット②:今までになかった価値観に出会える。
メリット③:期間限定の経済的豊かさ。

メリット①:平社員が、マネジメント業をできる。

海外に駐在すると、日本での立場と比べ、経営に近い役割が求められます。
本社日本の子会社で、規模もそこまで大きくなければ、本国である日本の意向はとても重要。
それを浸透させるために、駐在員が要職につくことが多いです。

かといって、日本本社の要職が自ら行くのではなく、その部下や、部下の部下がその立場となります。
そのため、日本の本来のポジションより、2-3ランク上の役割になります。

例えば、
日本の主任クラス→現地の部長
日本の課長クラス→現地の役員
日本の部長クラス→現地の社長

と言ったイメージでしょうか。
私の海外子会社は、まだまだ企業規模も小さいので、
主任レベルではありながら、役員のような立場で働くことが可能です。

そんな中で、会社としてどう売り上げを伸ばすのか?利益を上げるか?
などの経営戦略を考えたり、人材の適正な配置を考えたり、今まで自分の役割とは全く異なる範囲のことを、考えることができます。

と同時に、現地社員のスキルアップも当然経営課題の一つとなりますので、現場仕事も自ら先頭に立って行います。
いわば、プレイングマネージャーとしての役割。

会社を動かしていかないと、代わりに誰も会社を動かしてはくれません。
つまり、自分では起業していないので大きなリスクは取らずに、会社を持つ実務経験を積める。
一言で言うならば、ローリスクの経営経験ができる。といったところでしょうか
(もちろん大企業はこれに限ったことではないかもしれません)。


逆に楽をしたければ、日本以上に楽をできるとも思いますが、
私はせっかくの機会なので、ポジティブに成長機会と捉え、会社を成長させるべく奮闘中です。


メリット②:今までになかった価値観に出会える。

当然ながら、会社のメンバーの大半を占めるのはローカル社員。
日系企業に勤めてくているので、日本への理解度が高い社員が多いですが、やはり日本とは異なる言語・文化で育っていることを実感します。

カルチャーギャップを感じることは多いですが、彼らの意見を通じて、
自分のこれまでや、日本の働き方の価値観を、ちょっと俯瞰して見れるようになりました。

日本の方がいいなと思う価値観もありますし、
逆に日本よりも台湾の方がいいなと思うこともたくさんあります。

例えば、
日本の方がいいと思った仕事の価値観。
プロジェクトの案を決める際、日本は共通認識を得て、みんなで一つの案を作り上げる意識が高い。

一方で台湾では、案が複数出てくると、投票制で決めてしまう。
台湾では、「お互いの考え方が違うから、別々なのは仕方がない」、と言う価値観が強く、どれか一つを選ぶには多数決になりがちのように感じます。
みんなで共有認識を持って、かつ案をお互いにブラッシュアップして一つの物事を決めていくプロセスが、
全員の当事者意識を育てると私は考えていますので、日本式がいいなぁと感じました。

逆に、台湾の方がいいと思う価値観。
決断が早いです。
日本のように、事前検討を何度も重ねるよりは、トライ&エラーを重視するように感じますし、
日本の、現場社員→部署長→部門長→役員のような長い検討・決済ステップを踏まないで決まることも多いです。
(台湾は大企業の割合が少ないので、そう感じるのかもしれません)。

もしかすると、日本のサラリーマンは極度に失敗を恐れる文化なのかもしれません。もちろんキャリアに傷をつけたくないですし、理解できます。というか私も基本はそういう考え方をすると思います。


ですが、この変わりゆく時代においては、スピードはとても重要。当然競合企業よりも一歩先をいく必要があります。
なので今後はより、成果につながる可能性がある実行=トライをする機会が、日本企業に増えるといいと思います。
そうしたら、自ずと決断のスピードも上がるのかもしれません。
若造が、出すぎたことを言っていますが、お許しください。

とにかく仕事において、今までの自分の当たり前を、良い意味でも裏切ってもらえて、自分の当たり前だと思っていた考えに待ったをかけてくれることも、海外で働くことのメリットでもあると思います。

メリット③:期間限定の経済的豊かさ。

少し生臭い話ですが、よく言われている通り、日本で働いているのと異なるのが、懐事情です。
駐在をすると、様々な手当てがつきます。
「日本の地方に転勤すれば手当てが付く」みたいなレベルとは、当然異なります。

私の会社の手当ては、大手企業や商社・金融業などと比べると少ない方ですが、それでも住宅手当や生活する上での手当、語学習得費など、金額的にはとても増えました。
さらに日本に住んでいないため、税金の面でも手取りアップが期待できます。

この具体的なお話は、また別の回に詳しく書きたいと思います。

大まかに言うと、なんとなく実感する収入は日本の当時の1.5-2倍。
日々の生活では、台湾は日本よりも少し物価が安いですし、
日本ほど飲みの文化も少ないため、平日の支出も減りました。

ですので、日常生活の経済面ではとても楽ができます。

と、良い面として書きましたが、代わりに出費も増えるので、手放しでメリットとは言えません。

また別の機会に詳しく書きますが、
冠婚葬祭で日本に帰るには飛行機代・宿泊代で1回15万円かかりますし、
友達に会うためには、当然日本へ海外旅行に行くことなります。
私は冠婚葬祭や友達との遊びのために、昨年6回くらい週末弾丸帰国を自腹でしました。。。それだけで約100万円。

他にも、日本のものを買いたかったら、今までの倍の値段で台湾で購入しなきゃいけないし、ライフステージが上がった際の行政の手当も日本と異なりもらえないものもあります。
人によっては駐在員コミュニティで、ゴルフにお金がかかる人もいます(趣味なら全然問題ないですが)。

生活の仕方によっては、収入は2倍に増えたけど、支出も2倍に増える、
なんてこともあり得ますので、いいことばかりではありません。

私の場合は、収支以外に、海外で語学も含めて無料で学べている感覚があるので、トータルではメリットかなぁと考えています。

以上、なんとなくふと思い立ち、駐在員のメリットを考えました。
仕事の経験・仕事の価値観・収入。
決して多くの人ができる経験ではないと思いますので、ポジティブに良い挑戦と、貴重な経験ができる機会だと捉えて、今後も前向きに駐在生活をしたいと思いました。

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