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プレミアリーグ第7節 vsシティ分析&感想まとめ

シティのビルドアップに対するスパーズの守り方

基本的な構造

基本配置は4231ながら、シティはリコルイス中盤配置の3-2ビルド、それに対するスパーズは、ボランチ2枚がリコルイスとロドリ、3トップがアケアカンジストーンズという完全に噛み合った形でのプレス。
シティの狙いとしてはそこにエデルソンを組み込み+1の数的有利での前進、そして浮いたポジションにいるギュンドアン、アルバレスを経由しての擬似カウンター。
結果としてこれに対するスパーズの守り方は上手くいっていた。
噛み合っていた部分はあるにしろ、325の中でも中盤にフリーで位置取りをするギュンドアンの受け渡しが上手くいっていたことが大きい。
スパーズが敵陣で圧をかけている際は、ロドリのことをケインが切れている際はこちらのダブルボランチの片方、特にベンタンクールがギュンドアンを見る形。そして多くのシーンで見られるようにロドリとリコルイスにボランチ2枚が着いている際にも背中でギュンドアンを消すことができていたシーンが多かった。更には高い位置までロメロがマークしに行くことで彼がフリーで受ける機会を減らしていたのも大きい。
そして引いて守る際は541ブロックで相手とガッツリ噛み合っているのでただそのまま守るだけ。結果としてシティは前線とのリンクとして配置した選手を活かせなかった訳である。
リードしてからの4-2ビルドだったりそこら辺の強かさは流石ではあった。

これに対するシティの工夫

1番大きいのは後半途中から時折見せていた、アルバレスとギュンドアンを同エリア(特にデイビス前)に寄せることで、そこまで着いていけないロメロが居なくなったことによりギュンドアンがフリーに。結果として狭いエリアで数的有利が作れ、ペナ角辺りのデイビスとボランチ1枚のところに3枚かけ始めた。これは後半からシティが優勢を保っていたことの要因の一つ。ペップの修正点。
あとはグリーリッシュが中盤辺りまで降りてくるとかしてたけどスパーズは過度に釣られることなく対応できていたので功を奏さなかった。
これは一瞬だけそのようなシーンがあったというだけではあるが、とても効果的だったと自分は思ったのは、アンカーロドリ、ISHギュンドアンリコルイスの3-3-4的な形。ケインでロドリを消しきれないことが大きいが、これで中盤の数的有利を確保しスパーズのボランチ周辺で数的有利を作り間で受けることでプレッシャーをかける相手を定まらせない前進。

これに対する感想

シティ目線で見ると、アルバレスをビルドアップの出口として設定しても良かったのかなと。何度かオープンな状態で見せたように、デイビスに対して質的な優位性を保っていた彼を少し下げた位置でもっと有効的に使うことができたのではないかと。スパーズ目線からするとデイビスの不得手な部分を晒されることなく対応できていたので、そこは大きく助かった部分。あとギュンドアンももっとリンクマンとしての役割を果たすことができたのではないかとも少し思った。まあそこら辺は過密日程によりデブライネが出てこなかったことが大きいのかもねとは。
あとはケインがロドリ消すことは徹底できていなかったし(ケインだけが悪い訳じゃないし、不可能な場面も多々あるのは承知)、アカンジの個人戦術能力の高さを感じる列上げサポートだったりに対応できなかったりだとか、前プレ厳しいと正直自分は思っていたので結果には驚いた。

スパーズのビルドアップとそれに対するシティ

序盤から前半途中

スパーズはペリシッチを1列上げデイビスをSBの位置に配置した4バック気味の形で左を強く狙ったビルドアップ。
左のビルドアップの狙いを具体的に説明する。ハーランドがスパーズの右側切り、ギュンドアンとアルバレスで2ボランチ、デイビスにマフレズと前線はそのままの形でプレスをかけるシティ。そして列を上げて余っているペリシッチとハーフスペースのソンにはそれぞれリコルイス、ストーンズが着くのだが、これが狙い。まず通常のシーンではソンを見ているリコルイスが彼をストーンズに受け渡してペリシッチにプレスをかけるまで時間がある。そのためある程度の余裕を持ってそこでの繋ぎがスパーズは期待ができて、更にサイドに敵CBを釣り出すことに成功。そこでの突破で中央が空いたシティを崩すことを狙った。
これは明確に用意してきたビルドアップであり、コンテの戦術の幅の狭さを指摘するのは間違っていると思う。それこそ偏見か試合を見る目がないか。

対して右のビルドは、ロメロにハーランド、エメルソンにグリーリッシュ、クルゼフスキにアケ、ベンタンクールにギュンドアンと、お得意の菱形に完全に対応した形でプレスをかけるシティに苦戦した。

前半途中から

そしてそれに対してスパーズは25分頃からかな?3CBを広めにしてそのままの3-4-2-1の形を見せるように。これはまずハーランドのプレスの効力を弱めることが狙いの変更。そして結果として敵CBを左右どちらにも釣りだそうという狙いの変更。ハーランドがCCBとキーパーにしかプレスをかけられなくなり、結果としてシティのSHがHVに、SBがWBに、CBがWGにプレスをかけるように。結果としてCBをハーフスペースまで釣り出すことに成功。
結果としてはロドリと残ったCBとSB(特にアケの活躍は素晴らしい)で対応し切られたのだが、チャンスを作り出すことには成功したし配置を踏まえた上で更なる優位性を作り出そうとする修正だったので、コンテのそこら辺の柔軟さも垣間見えた。

あとは適当に感想

チームとしての前進が見られ昨日のnoteでも言った通りコンテを続投すべきという思いが強くなったと共に、やはり大きなミスが毎度失点の要因になるのがなんとも言えない。悔しい。
ペリシッチの軽い守備や入れ替わったミス、ラングレのミスなど失点に繋がった場面だけではなく、前半終わり際のダイアーとデイビスの同じような失点に繋がりかねないミス(飛び出るもジャンプしてもヘディングが届かず裏抜けを許す)が見られたり、コンテの責任外での失点が多すぎる。そしてこの現状で失点に対する責任を彼に問う意味がわからない。
あとはビルドアップ面を見ても、個人戦術や技術レベルのことではあるが、ロリスは勿論ダイアーやデイビスも劣るところは多いわけでそういう積み重ねで差は生まれるんだろうなとは思った。
最後選手について触れると、この基準でハーランドと戦えるレベルのロメロというCBがスパーズにいることに感謝しないとなって。もっと上のクラブのサイクル次第では引き抜かれるよねとも。
あとアケがスーパーすぎる。以上。

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