見出し画像

ひるのいこい

勤務時間の都合で、正午過ぎにクルマに乗ることが増えた。

以前は、夫が乗った後のクルマに乗ると、オーディオがNHK第一放送になっているので、そのたび「このぉ、あんたは爺さんかっ」と心でシャウトしたものだが、最近は自分からR1を聞くようになった。

そう、私はちょっとおしゃれに、R1と呼ぼう。
らじるらじるなら、聴き逃しサービスだってある。

年寄りくさいと思っていたNHKのラジオ放送だが、意外と情報取集に役立っている。
午前中なら「らじるラボ」、午後は「ごごカフェ」を聴いている。


そこで、お昼12時台の話にもどる。

正午のニュースの後に放送される番組、「ひるのいこい」だ。

お昼の10分間だけの番組。
あのテーマ曲を聞いた途端に、昭和40年代あたりにタイムスリップする。

もう下手な説明より、聴いてみてほしい。

最初は「古っ」「番組刷新さぼってるの?」なんて思った。
でも不思議なもので、何度か聴くうちにこういう番組もいいかも、なんて思うようになった。

これを書くために調べてみると、1952(昭和27)年に始まった番組だとわかった。
古関裕而さんのテーマ曲も変わらないままらしい。


若い人たち、「いこい」って意味わかりますか?
憩いと書きます。
辞書から消えてしまうかと思うほど、使わなくなりました。
20代のころ、社員旅行で行った旅館が「いこい荘」だったこと、今も覚えています。
高度成長期のみんな一所懸命働いていたころ(もちろん今もですけどね)仕事で疲れたあとは憩いだった。

今なら、頑張って働いた後は「癒し」がほしいとなるんだろうけど、憩いと癒しはちょっと違う。

おっと、また脱線してしまったので、番組の話に戻そう。


「ひるのいこい」はリスナーからの投稿で成り立っている番組だ。
季節感あふれるおたよりを、吉松欣史アナウンサーが情感たっぷりに読まれる。
BGMのドンチャチャチャ、ドンチャチャ、ピョロ~~~という音楽が、郷愁をそそる。
(私の親世代が、ですけどね)

番組内でかけられる曲は、結構バラエティーに富んでいる。
投稿した人がリクエストしたとは思えない、洋楽やおしゃれな曲もある。
百恵ちゃんやEagles、クレージーケンバンドだってかかる。

そして締めは「暮らしの文芸」。
リスナーは70歳以上が中心のようだが、短歌、俳句、川柳などが読まれる。

あぁ、日本のどこかで、私の知らない人が、何かを感じ歌を詠んでいる。
それを私が聴いている。

70年続くラジオ番組「ひるのいこい」、本当にすごい番組だと思う。
ラジオがある限り、今のスタイルのまま続きますように。

このnoteだって70年後まで続くとしたら、すごいことだ。

人の関心や生活のスタイルは変わっていくけれど、変わらないものがあるっていいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?