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ボリビアの伝統医とアハユ(生命力)のはなし

ボリビアでは、それまでシャーマンを兼ねていたような伝統医が見直されて、西洋医とともに医療体制を作っているそうです。

地球を経巡る冒険家、関野吉晴さんが現地で聞いた話です。

伝統医の仕事は、「アハユ」と呼ばれる生命力を、気散じになりがちな体へ収めること。

おそらく、今でいう自律神経の乱れや精神的な病を治したり、整体や手当てに当たることであったり、または社会的・心理的に弱ったひとに寄り添う仕事だったのではないでしょうか。

20世紀の後半に西洋医学が入ってきて、伝統医は不要にされそうになりながら、結局、「かかりつけ医」のような形で、西洋医学と棲み分けて、両方を活かす形になったようです。

ボリビアの政府か自治体がそう決めたとのこと。

たとえば、がんになったということであれば、「アハユ」の領域ではないので、西洋医にかかるそうです。

ネイティブ・アメリカンの「メディスンマン」(医者であり、酋長のようなリーダーでもある)を思い起こします。


『グレートジャーニー 地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇』関野吉晴 ちくま新書 より

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