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それは手紙。そしてうた。その、詩。(返答詩集)

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これは 誰かに届けようと思った 手紙のような どこか 遠い人にいる 会ったこともない でも どこかにいるかもしれない そんな 人へ
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#詩であなたに寄り添いたい

「その手に求めた 救いについて」

その手がこの世界で唯一の繋がりだったこと
それは今も昔もきっと変わっていない

私は 前に進んでいないのだろうか

毎日死に物狂いで生きてきた私は自立や強さを求めていた気がする

もしも嫌いになれたら
私は何から自由になれるだろう

会えるだけで幸せ
そうかもしれない
過去の私からしたら

でも今の私にとっては違うのかもしれなくて
嗚呼、やっぱり私は 少しずつ変わっていく

変わらないものと変わっ

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寄り添うための詩「秒速5センチメートル」


いつだったか恋の旅人から教わった秒速5センチメートル
それは桜の花が宙を舞い落ちるときの速さらしい

「テストには出ないよ。だって、学校じゃ教えられないから」

実験に必要なのは桜の木と頬をなでる風それから恋してる気持ち
(それって理科室の戸棚には入りきらない)

その言葉を思い出すのは決まって春だった
歩く夕焼けの桜並木まるで恋人同士まだ恋を知らない娘と

秒速5センチメートルで舞い落ちる花

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