「愛という命の温度の話」

この命が孤独だと知った時
今で満たしていた指先が 本当は空っぽなんじゃないかって 思った

そんな自分が大っ嫌いだったから
誰かの手を求めたのが 始まりだったのかもしれない

誰でもいいわけじゃないのに
今はこの手を握ってほしいのは 誰でもよかった

自己嫌悪と寂しさをループする
それはきっと愛の欲望だったのかもしれない

嗚呼、涙を流すような切実さで
求めた温もりは きっと誰かの優しさだった

自分が自分を愛せないのに
いくら手を伸ばしても空を切る

私は優しくされる価値のある人間なんだって誰か教えてほしい

本当は自分を信じたいし好きになってあげたい

だから苦しくても顔を上げて未来を見ることをきっと選んだんだ

誰かの体温を通して、
本当は自分の命の温度だってちゃんと暖かいんだって思い出す

その時はきっと、誰かの絶望を温め直せるように
この手はちゃんと優しくなっている

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