詩集2 10 返答詩集2 10 日記詩集2 10 おまけトーク(私達は何にお金を払っているのだろう)



詩集
「寄り添う人」

色々やってみる
これもだめ あれもだめ
もうちょっとやったらできるかも

見守ってほしい
でも自分の力だけで歩いてみたい

風と光 あらゆる音と
見えるもの全てを感じてみたい

信じられる人に会いたい
信じてくれるなら歩きたい

哀しい顔を見たくないから我慢する
笑っていてくれるなら喜んでする

善も悪も 道標が違うだけ
示す人が違うだけ

分かったら自分で歩いていく
自分を信じて歩いてけるようになるまで

この手を離さないで

返答詩集
「安らぎの春」

木漏れ日のように降り注ぐ
朝陽の柔らかな薫り

広がる青い空に 暗い雲が立ち込め 嵐が巻き起こり 雷鳴が轟き
吹き飛ばされそうになりながら 必死に崖にしがみついて

手を血だらけにして 離さなかったのは
護らなければならない何かがあったから

手に握りしめたもの
今まで大事にしてきた命の欠片

嵐が終わり 天から涙が溢れた時
守り続けていたものを失っていたことに気づいた

手の中が空っぽで 降りしきる雨が 涙を混ぜて 洗い流す
眠る中に 雨の薫り 夜に咲く月の光

痛みは 今まで大事にしてきたから
哀しいのは 愛しいから

天から差し込む光の筋 掌を翳して
宝石のように煌めいて 掌に光が宿ったみたいだった

煌めく宝石は 指先の彼方に 瞳の奥底に

言の葉に自分はない 指の先に体もない 自分などどこにもいない
心の中の自由な世界に住まう 深遠なる心に世界はある

内なる心が 世界を抱いて
命という夢を 見る

日記詩集
「旗」

突然の闇に彷徨う時
足は動かなくなる

不安は恐怖にも似ている
過ぎ去るのを待つことしかできない
嵐が去るのを耐える芽のように

嵐の中で心は千切れてバラバラになる
壊れたコンパスのように信じる指針を無くしてぐるぐると回る

分からないまま 足は動かない
風は 光は 雨は 草は 好きなままに行方を知らせる

微かな声を聴いた
声はあまりに小さくて じっと待って耳を澄ませないと聞こえない

他の声に掻き消えそうな声を頼りに足を踏み出す
一緒に歩いてくれる人がいないとしても

後悔はするのだろう
失うものはあったから

進むことを選んできたから
今日という陽を生き抜いたと思えるなら

風に煽られ 光に焦げながらも
空を目指して 生きていく

心の芽を見守りながら
花咲く時を待っている

傷つくのが怖くても
近づきたいと夢を見て

無理に信じても
傷つくだけなのに

触れたいのに
触れられない

本当は空しくて 寂しくて
消えてしまいたい

自分を受け容れられないから
他人を憎んでしまう

本当は信じたい
信じられる誰かに会いたい

勇気が出たなら
心の底から 信じられる時が来たなら
心の向かう方へと 手を伸べたらいい

光に導かれるように
自分らしく 歩いていけば

花は咲く
自分に寄り添うために

自分を信じるからこそ
花は咲くのだから

詩人です。出版もしております。マガジンで書籍のご案内もいたしております。頂いたサポートは出版の費用にさせていただきます。