大野弘紀「涙の傷 傷の光」

ずっとやってみたかった
セルフレビューというやつ

自分の作品を振り返るだけの冷静さをもって
見られる自信がなくて

5年経って、ようやく。

――痛み、悲しみ、傷跡、虚しさ、悲痛、悲哀
どれもが、ひたすら続いていくような筆致が

痛々しく、生々しい

怒りにも似た何かを
誰に どこに ぶつけていいのか分からず

毎日 毎日
もがき続けている

正直、見ていられない

――でもこんな部分が自分にもあったのだと思うと
どこか遠い出来事のような気もして

これが一作目で
よかったとも思った。

そうでなければ、こんな負の感情の塊には向き合えない

どうしてあんなにも闇の満ち溢れた
世界を生き抜いてこられたのか

その果てには
過去の私がどうか 生きて行けますようにと願う

私自身がいた

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