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ある“特別な事情” 映画「市子」

音担当茂野です。
今週は、戸田彬弘監督新作映画「市子」について書いてみます。

ある“特別な事情”を抱えた女性・川辺市子の人生を描く作品です。

「市子」主演、杉咲花

映画監督・戸田彬弘

私が最初に戸田彬弘監督作の音楽を担当したのが、2016年制作「名前」(2018年公開)。それから5作目となるのが「市子」です。

映画「市子」は、10月5日、釜山国際映画祭にて世界初上映されました。
来週10月26日には東京国際映画祭での日本初上映が予定されていて、12月8日から一般劇場公開が始まります。

主演:杉咲花
出演:若葉竜也、森永悠希、宇野祥平、中村ゆり、他。


作演出家・戸田彬弘

戸田彬弘氏は舞台演劇の作演出家としても活躍しています。

「THE VOICE」

2017年上演「THE VOICE」の音楽を私が担当。
2011年の大津波で流され、いまだに発見されずにいる人たちの声を、海の底からの叫びと囁きで描いた強烈な印象を残す舞台作品でした。
このとき出演していた俳優の一人が熊谷弥香。ここからPoetic Mica Drops結成へと繋がっていきます。ユニット結成のきっかけがこの「THE VOICE」でした。

「THE VOICE」オープニング
この中のどこかに熊谷弥香がいます

「川辺市子のために」

2015年に初演され、2018年に再演された舞台演劇作品、戸田彬弘作演出「川辺市子のために」。私は2018年の再演で音楽を担当。この「川辺市子のために」を元に、新たに映画化していったのが「市子」です。

なお、このとき「川辺市子のために」と同時上演された「川辺月子のために」には熊谷弥香が出演しています。

「川辺市子のために」
「川辺月子のために」
右奥ピンクのジャケットが熊谷弥香


"特別な事情"とは

川辺市子が抱えていた“特別な事情”、舞台演劇「川辺市子のために」のときは作品のテーマとして表に強く打ち出していました。
映画「市子」の中でもそれはしっかり描かれていますが、映画配給会社の方針で、映画を見る前の宣伝段階ではそのテーマを表に出さないことになりましたので、ここでは“特別な事情”という言葉で書くことにします。
たぶん誰もが聞いた事のある漢字三文字の言葉です。

一緒に暮らしていた恋人長谷川義則(若葉竜也)から「結婚してください」と告げられた翌日、二人で浴衣を着てお祭りに行くはずだったその日、川辺市子(杉咲花)は、幸せな生活を捨て、何も告げずに姿を消します。
市子を探す長谷川。しだいに市子の過去と心の中が見えてきます。
結婚できない理由、幸せになってはいけないと思った理由、誰にも頼れず一人で生きていこうとする理由。その“特別な事情”を長谷川は知ることになります。

予告編でも少し聴くことができますが、音楽は、市子の心の中を、ピアノとチェロで表現してみました。悲しく、不安に、激しく、そして温かく。

チェロの演奏は岩永知樹氏。今まで、蜷川幸雄監督「蛇にピアス」、Tsang Tsui-Shan監督「大藍湖」「Winter Chants」などの作品でも弾いていただいているチェリストです。

漢字三文字の言葉

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