〜幾重にも連なる峰の奥ゆかし そのまた奥にぞ光ありける〜 はじめに 私達が生きているこの世の中を、とてつもなく奇妙だと思ったことが全ての始まりでした。 これまで十数カ国に訪れ、その内三ヶ国に暮らし、どれだけ大層な文明を目の当たりにして人間の計り知れない創造力を実感しても、精妙を極めた自然のそれには遠く及ばないという確信に至り、豊かな生活をしていれば忘れがちですが、文明を築いている我々自身も自然の一部だということ、つまりこの世の中には文明か自然しか存在しないわけで、その文