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夢幻の花

原産地は中国という花海棠(はなかいどう)。桜が散り始める頃、薄紅色の花を咲かせる。

その美しさを楊貴妃の眠る姿になぞらえて、中国では「眠花」とも呼ばれている。

日本でも、愁いを秘めた美人がうちしおれている様子をこの花にたとえ、
「海棠の雨に濡れたる風情」と言うそうだ。

猿楽から発展した能を、幽玄美を漂わせる能の形式「夢幻能」へと引き上げていったとされる世阿弥。絶世の美少年だったという彼が、もし現代に蘇ったとしたら・・・。

その場所はきっと、氷の上の舞台に違いない。

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