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カントリーサイド・プリキュア

帰りの電車に乗ったら、途端にお腹が痛くなってきた。ここ数日暖かい日が続いていたのに、今日はぐんと寒かったからかもしれない。自宅の最寄り駅までは4、50分電車に揺られていなければならない。そこまで耐えきれないと判断し、途中の停車駅で降りることを決断した。お腹も穏やかになってきたので今これを書いている。

今留まっている駅には初めて降り立った。すっごい田舎なので駅員さんはとっくに業務を終えていなくなっている。
天井の高い待合室には暖房は付いておらず、だんだんと寒さが増してきている気がする。
お年寄りが二人ほどいるのだが…ああー、お帰りになった。

いよいよ一人になってしまった。さすがにちょっと怖くなってきたな

静寂を紛らわそうと音楽を聴くことにした。
『DANZEN!ふたりはプリキュア』である。
さすがプリキュア。豪華なサウンドと五條さんのお歌が嫌でも気分をアゲてくれる。なんか泣きそうになった。なんで自分はこんなクソ寒い無人駅で座っているんだろう。

だいたい、私は近ごろ何度腹痛を起こしているのか。頻度が高すぎる。悲しい。授業中にトイレに行くのも変な駅で降りてトイレに駆け込むのも、本当はすごく恥ずかしいのに。もう毎日、生きるのがしんどい。ビオフェルミン効けや!

〽︎your best! my best!
 生きてるんだから 失敗なんてメじゃない!
 笑う門に福来たるでしょ!
 ネガティブだって ブッ飛ぶう〜!

ハッとした。
私が忘れてしまっていること。とても大切なことを、思い出させてくれた気がした。

そんな簡単に笑えない。別にネガティブでいたいなんて少しも思ってない、でも毎日苦しいんだよ。どうしたらいいの。

そうやって、ウジウジふてくされて、諦めて、悲しみの渦に自らを投げて。そこから出てくることを、引っ張り出そうと思ってくれる人を、私は拒んでいる。

全部引っくるめてなんでもいいじゃん!と、半ば強引に前を向かせてくれる。ブラックとホワイト、プリキュアシリーズの原点にして頂点のパワー。諦めない、のなんたるかを女の子に身をもって教えてくれたふたり。

ほんの少しだけ、心の中のもやが晴れた気がした。

闇と寒さがしだいに濃くなっていく、無人駅の待合室。
誰もいないことをいいことに、こっそり決めポーズをした。

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