シンエヴァひとこと
正直、今日の朝までは見たら何かしら厳しい文章を書いてやろうと思ってました。それが作品に対する誠意であり、僕のためにも重要なことだったから。
しかし、その必要は無くなりました。庵野監督は現実も虚構も軽やかに受け入れ飛び越え、丁寧に人の温もりを描き切りました。旧劇で描かれた悲しみから捉えられた人も真実です。ただし、僕らが生きるのに必要な真実はもう一つ。喜びから捉えられる人です。
人は、リアルとイマジン、喜びと悲しみ、成功と失敗、出会いと別れ、様々な、そして巨大な相補性の中に生きている。それはとても流動的で一様には語れない。少なくとも僕は初めてエヴァを見たあの日から何かを考え、今ようやくそう感じて生きている。そして庵野監督(ひとりの人間)はそれを肯定してくれた。これほどに嬉しいことはない。
僕の中の綾波はいつも見守ってくれていたし、僕の中のアスカはいつも手を引いてくれたし、僕の中のカヲル君はいつだってただそこにいてくれたし、僕の中の……
そうして僕は現実に生きている。
もはや、インテリぶって何かを語る必要はない。僕は現実の他者と面と向き合いそこから生まれる対話によって生きていくことができる。これが、これから社会に飛び込む我々への祝福でなくてなんだろうか。
全てのエヴァンゲリオンにありがとうとさようならを。
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