火ノ丸相撲もっと売れますように

自分の身長が低いからか、よく物語で背の低い人間に肩入れをしてしまう。最近だと、数年前までジャンプで連載していた「火ノ丸相撲(作、川田)」にはかなり熱を持って読んでいた。身長の低い主人公の火ノ丸が、限界まで体を鍛え上げて大きい相手をバッタバッタと投げ倒していく。シンプルな大筋だが、それゆえストレートに作品の熱を感じることができる。鬼滅の刃や呪術廻戦といった同じジャンプの漫画が世間をにぎわせている今、面白さで言えばまったく遜色のなかったこの作品が、なぜそこまで売り上げが伸びなかったのか。未だに考えると悔しい気分になる。


「相撲だから」という理由では片付けたくないと思っていたが、周りの反応を見るに、それは理由の一つに違いないことは受け入れなければいけない。ジャンプの購読層では、相撲というだけで読み飛ばしてしまう層が思ったよりも大勢いたのは事実みたいだ(その中で28巻まで続いたことの凄さも実感できるのだが)。編集にはだからこそ、ジャンプ読者以外にももっと作品を知らしめる努力をしてほしかったと思う。具体的に言えば、大相撲とのコラボをもっとやって相撲ファンに対しての認知をたくさんやってほしかった。相撲に対してアレルギーのない層をとりこめば、もっと流行ったはずなのに。面白さは間違いないのだから、もっと知ってもらう努力をしていれば、より熱烈なファンが増えただろうに。若干願望込みではあるが、そう思うくらいに勿体ない作品だった。面白さが信頼されている作品には、アニメ以外にもっと一般に認知される努力をやってもらいたいと思う。


昨日から、松井優征先生の新作が連載された。松井先生といえば、一作目の「魔人探偵脳嚙ネウロ」がちょっと火ノ丸相撲と似ているなと思ってた。初見入りづらい作風、ハマる人はとことんはまる、ストーリーは抜群、アニメが……等。二作目の「暗殺教室」で大ヒットするわけだが、それをきっかけに前作のネウロにも手をだした読者も多いのではないだろうか(自分もその一人)。火ノ丸相撲も、同じような展開にならないかなと期待している自分がいる。川田先生の次回作が連載された際には、一ファンとして盛り上げられたらいいな。そこで火ノ丸相撲が再評価されるきっかけが生まれないか、と思っている。

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