#ジョージ・フロイトの死から考える

 アメリカで黒人男性ジョージ・フロイトが、白人警官の膝で首を約9分間押さえつけられ圧迫死した事件を機に、全米各地でデモが起きている。

 トランプ大統領は一部の暴徒化したデモ隊に対して国内テロだと非難し、軍の投入も辞さない強硬な姿勢を示している。

 人種差別は根深い問題だ。過去にアメリカ南部を中心に差別が公然と制度化されていた。キング牧師の公民権運動が法的な差別撤廃を実現した。

 しかし不平等は今も存在している。所得や教育、医療などで明らかだ。コロナ禍による死亡者や失業者も人種別の人口比に対して大きいというデータもある。

 強権が生んだ悲劇と言えば、天安門事件がある。1989年6月4日、中国北京市の天安門広場で民主化を求めて集結していたデモ隊に対して、軍隊が武力行使し、多数の死傷者を出した事件である。その中国は今、香港の自由を奪おうとしている。

「息ができない」。

大国の指導者もまた、人々を圧迫死させようとしている。

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