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Polarisは「コミュニティ型組織」

市川望美です。最近プライベートでちょっと忙しくしておりまして、気がつけば前回記事から2か月近くも経過している・・・!でもそのおかげで他の書き手による記事が増えたりと、いいこともあります。今後もそれぞれの書き手の個性や視点の違いを楽しんでもらえたら嬉しいです。

さて・・・。

Polarisの遊軍「ゆうこりん」によるこちらの記事、とってもよくまとまっていてわかりやすいなあーと思っているのですが、

それに関連して、記事の中でも触れられている「コミュニティ型組織」について少しお話したいと思います。Polarisは「コミュニティ型組織」なんですが、それはどんなもので、なんでそうしたのか。

(ゆうこりん記事からの引用)
まず、Polarisの特徴として、「仕事軸のコミュニティ」として、「ここちよく暮らし はたらく」というビジョンに共感した人たちが集まる組織であることが挙げられます。

こういう組織を「コミュニティ型組織」と表現するようで、株式会社ソニックガーデンの代表を務める倉貫義人さんのブログがとても分かりやすかったので貼っておきます。

https://kuranuki.sonicgarden.jp/2020/08/team-and-community.html


チームとコミュニティの違い


私も早速読ませていただきましたが、もう目次を見るだけでももうスバラシイ。これは、ソニックガーデンさんや倉貫さんの経験値からまとめられたものなので、Polarisは違うところもあるのだけど、それでも、「そうそう、そういうことが言いたかったの!!!」と思う内容。そして、両方を見比べてみると、なぜ私たちが「シゴト軸のコミュニティ」という言葉を掲げてきたのか改めて分かった気がします。

目次
・チームは共通の目的を持ち、コミュニティは参加者に目的がある
・ミッションで始まるチーム、ビジョンで集まるコミュニティ
・会社や組織をチームと捉えるか、コミュニティと捉えるか
・コミュニティの中に、ミッションを持ったチームができる
・チームはスキルで採用し、コミュニティは価値観で採用する
・中途採用はチームから入り、新卒採用はコミュニティから入る
・チームでの仕事はジョブ型、コミュニティはメンバーシップ型
・チームは成長と共に変化し、コミュニティは文化と共に成熟する
・船のように経営するチームと、街のように経営するコミュニティ
・コミュニティのような会社があってもいいのではないか

(引用元)
https://kuranuki.sonicgarden.jp/2020/08/team-and-community.html

Polarisは、それぞれのいいところを組み合わせたいのだなあ・・


コミュニティの限界と、まだ見ぬ世界を進むために。


なぜ「コミュニティ型組織」を目指したのか?それについては、「コミュニティはコミュニティの限界がある」ということが大きな理由の一つです。

コミュニティの限界

Polaris創業前は子育て支援のNPOで理事として参画し、地域での起業や、女性たちの居場所と出番づくりに取り組んでいました。とてもやりがいのある環境ではありましたが、一方で「コミュニティの限界」のようなものも感じていました。

私が感じていたコミュニティの限界は、「広がりのなさ」と「スピード感のなさ」の2点です。

コミュニティは、ビジョンによって集まってきて、それぞれが目的と意味を持ってその場にいられることがよさではあるけれど、それだけだとどうしても同じような質の人たちが集まることになり、多様性がうまれない。多様性がないと、活動や組織が硬直化してしまう。そうなってしまうと、活動は既存路線から離れられず、新しい取り組みが生まれにくい。資源が先細る。

「未来におけるあたりまえのはたらきかたをつくる」ということを掲げている私たちにとって、多様性を原動力にした試行錯誤は必要不可欠。

多様性を獲得していくためには、いかに新しい人たちに関わってもらえるかが重要で、そのために私たちは、「仕事」という具体的で明確な目的をコミュニティのテーマに重ねたわけです。「仕事」「働くこと」は誰にとっても自分事なので「仕事軸」をコミュニティのサブタイトルとすることで、今までの、いわゆる「地縁型コミュニティ」ではなく「テーマ型コミュニティ」としての要素を色濃くしました。強い共感や納得の前に、一緒に仕事をする。一緒に仕事をした結果、共感や納得につながっていけばいい。

順番を変えることで、今まで狭められてしまっていた戸口を大きく変更した感じです。

「敷居をあげて門戸を開く」というのはPolarisが当時よく使っていた言葉ですが、「コミュニティメンバーになる」「仕事のその先にあるビジョンやミッション」への理解や共感が必要という「敷居」はあるけれど、そこだけ共有できれば誰でも大歓迎!まずは一緒にやってみよう、というように機会は開かれる。

「組織」「仕事」というエンジンをコミュニティに搭載することで、突破力やスピード感を得ることができたのでは、、、と思っています。


まだ見ぬ世界を進むために

Polaris創業時(2011年頃)、自分たちと同じように「出産や育児で離職した女性」を主な担い手として想定していたけれど、そこに「仕事を配りたい」と思っていたわけではありません。「未来あたりまえにしたいはたらきかた」をつくるための仕事。

働きたい人にすぐ仕事を供給することよりも、働くことや暮らすことに関連して「もっとこうだったらいいな」「本当はこうできたらいいんだけどな」と、思っているようなことをじっくり掘り起こし、社会の中で誰もが実現可能な選択肢としていきたい。すでに働いている人たちも、これから働きたい人たちも、自分が望む「質」を得られるための試行錯誤の場にしたい。

「働き方」「暮らし方」の「質の探究」がPolaris創業の大きな目的の一つでした。そして、「質の変化・変容」もセットで達成すべき目的。

なぜなら、子どもたちに新しい選択肢、既存の延長線上ではない未来を手渡したかったから。働くことは大変なこと、お金を稼ぐということはそう簡単なことではない。大人になるのは辛いこと・・・そういうものではなく、もっとポジティブなものに変換したい。一人一人がのびやかに力を発揮できるような働き方、仕事をつくりたい。

今はまだ難しいかもしれないけど、未来にはあたりまえになるように。

もともと、既存の仕事やはたらき方にはまらないから労働市場より退出しているのだから、既存の仕組みで回る仕事を配ったところで、どこかで無理が来る、破綻してしまうリスクが高い、という経営判断もありました。

それに、きっとそういうこと(仕事を供給する)は、私たちより上手にできる人がいる。AIなどのテクノロジーが後押しにしてくれる領域もある。そこではなく「自分たちが本当にしたい働き方、暮らし方をつくる」ために必要な事業をやっていこう。「まだ見ぬ世界」を進むための事業。

起業するとき、「Why me?」という問いがとても大事になるのですが、そうやって、自分たちだからこそできること、やり遂げたいことを研ぎ澄ませていった結果、たどり着いたのが「コミュニティ型組織」でした。

多様な試行錯誤が生まれるコミュニティであり、新しい感覚や実践に触れる機会を持つコミュニティ。


新しいものが生まれるためにはコミュニティが必要。


「業務」「仕事」のような具体で明確な目標は、ある意味で「寄り道」を許さないようなところがあるのだけど、「コミュニティ」のような関係性をベースにした場は「待てる」し、包容力があります。

何をするからとかでなく、ただ「自分はこの場に居ていい」という安心感、つまり「居場所」だからこそ、今まで言葉にしなかったことや、浮かばなかった発想が出てくる。自分の内側とか感覚に目を向けることができるのは、そういう時間がないとダメだし、「寄り道を許す」コミュニティじゃないとだめなんだということに気がつけたのは、「コミュニティづくり」「まちづくり」に取り組んでいたNPOで沢山の人たちと何気ない会話を重ねてきたから。

逆に言えば、「自分はここに居てもいい」と思える組織であれば、あえてコミュニティと大々的に掲げる必要はないし、タスクフォースやプロジェクトであってもうまくいくだろうと思います。


新しいものを生みだすためには、自分事であることが大事。


最後に、大事なことがもう一つ。新しい実践、価値観、願いを自らの中に生み出すためには、直感や肌感覚、内発的な動機がとっても大事ということ。

なるべく多種多様な働き方の選択肢をつくるためには、多種多様な試行錯誤が必要。多種多様であるためには、小さなこだわりとか「他のだれか」との「差分」が大事になってくる。そんな風に思うのは自分だけかもしれないけど、実は多くの人がそう思っていた。絶対にそうしたいこと。時間かかるかもしれないけど、正解かどうか分からないけど、やり遂げたい。

先の見えない中で、正解のない中で、新しいことに価値を見出し、粘り強く取り組んでいくためには、「自分ゴトであること」が大事。

「仕事だから」「お金もらえるから」といった合理的なもの、条件ではなく、「時間がかかったとしても成し遂げたい」というような思いや内発的な動機というのは、最後の最後で踏ん張りを与えてくれる。あきらめずに試行錯誤する力を引き出してくれます。

コミュニティには、包容力がある。受け止めてもらえるから、自分の中にある、ささやかだけどとても大切なものをあたりまえに大事にできる。

「人と人を結びつける力」とか、「ゆるくつながり続ける力」「こうだったらいいなあという”願い”のようなものを共有することで生まれる内発的な動機」のようなものをコミュニティは提供できる。

「コミュニティ」をベースにした組織だからこそ見つけられる思いがあり、「つくれる仕事、選べる働き方」があると思う。だから、「仕事軸のコミュニティ」をつくり、「コミュニティ型」の組織として事業を推進しているのでした。

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#コミュニティ型組織 #フォロワーシップ経営 #コミュニティ

#倉貫義人






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