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交番勤務ってどうなの③(ストレスで味覚なくなっちゃった)

今回は交番勤務時代にストレスで一時期味覚がなくなった時の話です。
今後、本気で警察官になりたい方にはおススメです。


武闘派警察官とは


警察学校を卒業して自分の指導担当になった40代の巡査部長(以下S貝と呼ぶ)は普通の厳しさの人でした(警察社会を基準としてなので、一日に何度も怒鳴られるのが普通レベルです)。

良くもなく悪くもなくといった感じですね。運の悪い同期は担当部長が厳しすぎて、警察学校卒業して2回目の当直の朝から出勤拒否状態になりました。布団から出てこなくなった後輩も見たことがありますよ。

交番勤務を数か月やって警察学校に戻り、初任補修科を卒業してまたS貝と一緒に交番勤務が始まりました。ところがそれから1週間もしないうちに警察署管内で殺人事件が発生したため、刑事課の勤務経験があるS貝捜査本部に引き抜かれてしまったのです。

まだまだ一人で交番勤務ができない私はどこかの交番に預けられることになります。別の交番の巡査部長なり、警部補なりに指導担当になってもらうわけです。この時、ブロック長だった40代の警部補の交番に預けられることになりました。ここからが地獄でした。

この警部補(以下T山とする)は、元逮捕術特練(簡単に言うと逮捕術で強い人)でバリバリの武闘派です。ちなみに警察官といっても様々なタイプがいますが、この武闘派タイプが一番厄介です。平気で手が出ます。

そしてこいつ(T山)がやばいのが異常なまでのきれい好きだった点です。

まず、交番は常時きれいな状態を保ちます。もともと交番なんてたいしてきれいな所じゃないんですが、シンクは水一滴ついてると怒鳴られます。

トイレは大、小どちらだろうが終わったらきれいに掃除して、消臭スプレーをします。ミニパトは汚れたらすぐきれいに洗車します。

カップ麺を食べたらすすいだ後、容器にチラシや新聞紙を巻き付けて匂いが交番内に広がらないようにします。

実は交番勤務は交通取締りや事案対応でかなり忙しいので掃除なしでもかなり慌ただしく、食事ができないなんてこともザラです。それに加えて清掃を頻繁にやるとなると息つく暇もありません

交番の備品も常に完璧に揃えておかなければなりませんでした。掃除用の洗剤等の把握は当たり前、交通整理用の誘導棒の電池も頃合いを見て交換して電池が切れないようしておかないとぶち切れられます。

一度風邪をひいて当直を休んだ事がありましたが、私がトイレ掃除の洗剤を買い忘れていた事にぶち切れて電話をかけてきたことがあります。こっちは38℃以上の熱で休んでいるのに延々と怒鳴り散らされましたね。とにかく謝り倒しました。

私は当時喫煙者で3度の飯よりタバコが好きという人間でした。しかし、T山はタバコが大嫌い。当直中、タバコが一本も吸えません。これもきつかった。

炸裂、T山ラッシュ!


さて、交番勤務では職務質問月間というのが何度かあり、その月は職務質問で自転車盗や占有離脱物横領などを検挙することが強く求められます。

公務員なので究極的には検挙なしでも問題ないはずなのですが、上司からかなり圧力をかけられます。そして、次の職務質問月間では必ず検挙すれ、という雰囲気になります。ですのでやはり早めに1件検挙が欲しいのです。

しかし、私がのもとに送られた後、交番管内で立て続けに万引き被疑者が警備員や店員によって確保され、それを在宅送致で受け持つことになってしまったのです。

こうなるとその処理で勤務中どころか休日も出勤しなければならず、職務質問どころではありません。3件目の万引きの在宅送致を持つことになった時、T山が怒り狂っていたのを覚えています。

その結果、武闘派のT山の本性がますます現れてきました。

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