平成29年度行政書士試験の時事問題について

11/12行政書士試験が終わり、11/20に問題が公開されました。

https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/h29_mondai.pdf

時事要素の含まれた一般知識問題は、下記の5問。(一般知識は14問中6問以上が足きりラインです。)

問47「各国の政治指導者は誰の孫か?」
問49「最近の日本の農業政策」
問50「ビットコイン」
問53「小説家山崎豊子の作品はどれか?」
問54「クラウド」

この5問の中で、情報通信分野の単語として「ビットコイン」「クラウド」については想定内で、多くの受験生が対策していたことでしょう。
また「最近の日本の農業政策」は幅広く政策を聞く手強い問題でしたが、対策可能な問題でした。

ところが、残りの「各国の政治指導者は誰の孫か?」、「小説家山崎豊子の作品はどれか?」については、多くの受験生が戸惑ったはずです。
そして、私は、来年度以降もこうした問題への対策を取ることは難しいと考えています。

その理由を少しだけ説明します。

問47「各国の政治指導者は誰の孫か?」については、選択枝もブッシュ元米国大統領を取り上げるなど強引な作問の印象がありましたが、そもそも政治家の二世三世情報は些末であり、何を為したかこそが「重要な情報」だと考えています。

本問のような些末なことを問うてしまうと、翌年以降、「時事問題の範囲は広すぎるから捨てよう」となる受験生も出てきてしまい、本末転倒です。

仮に、各国の政治指導者本人と祖父の「政策」を選ぶ問題であれば、難問にはなるでしょうが、受験生の納得感は強まったはずです。

問題53は、小説家・山崎豊子氏の作品を選ばせる問題でした。
行政書士にとって、山崎氏の作品を知っていることの価値を仮に「ニュースを確認する習慣があるか」としても、たとえば、ノーベル賞という括りで、文学賞や平和賞を取り上げた方が、より適切な問題になったはずです。(山崎氏の作品は、その中における明確な誤答枝なら…という感じです。)

「たまたま知っていてラッキー」という受験生より、意図的に行政書士に関係の深い情報を収集していた受験生に、きちんと点を取らせる問題にすべきではないでしょうか。

行政書士試験は、家族のためなど、人生をかけて頑張っている受験生が沢山います。

出題者は、そういった受験生の努力に向き合い、「行政書士試験における良い問題とは何か」について、改めて問い直す必要があるのではないでしょうか。

私は、これからも「勉強する価値のある良い問題集」を出していきます。

#行政書士試験

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