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みたことがない

ジブリ映画をみたことがない。

もしかすると覚えていないだけでみたことがあるのかもしれないが、それにしても毎年テレビで再放送しているジブリ映画のどれにもぴんとくるものがない。
しかし、人生というのも大したもので、最近はナウシカがおそらく鹿ではないことがわかるようになってきた。

とまあこんなことを言うとたいてい、
それではいけない、早急に見たほうがいい、
といってオススメの作品を教えてくれる人がけっこう多くて、それはありがたいと思うけれども、なんだかんだ、ふだんの生活にまぎれてしまって、なかなかみるところまで至らない。

しかしなんというか、まれに、
ジブリをみたことがないとは人生損をしている…!
というなにか重大めいた指摘をされることがあって、これには納得がいかない。

きっとはじめは、人生を豊かにしようと思ってみたのでないはずで、とにかくみてしまったから、そこからつながりが生まれて、そしてそのつながりをたぐって、たぐって、ここまでやってきたはずだ。
そこにまちがったたぐり方などというものがあっては困る。

それぞれがそれぞれのはじまりから、それぞれのたぐり方をしてきたことを考えると、なにかとてつもない気がする。
そしてこれからもみなどこへ向かうのかもわからず、ただ一心にたぐっていくことになる。
それは不安で、どこへ向かうのかくらいは知りたいともときどき思う。
しかし、とにかくいま、たぐっていくということそのものにはげまされて、どうにかたぐっていくこと、にひとつのうれしさをみてみる。


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