【創作小説】猫に飼われたヒト 第37回 曇天の下の希望
というわけで、フルーメンは初めてキッチンに立つことになった。
本棚から料理本を取り出してきて、簡単に作れそうなものを選ぶ。
人間は雑食だから、なんでもいいだろう。だが、適量、ひとつまみ、キチンと計量できないものの単語の羅列に悪戦苦闘。
「初めての一人暮らし」という料理本を棚から引っ張り出してくる。
(適量ってどれくらいだ…?ひとつまみ?そんなの猫によって量変わるだろ…)
フルーメンは顔をしかめ、本を閉じた。
結局コンビニで食料を買ってきた。それを人間に与え、一息つく