半演劇日記-15

2024/01/26
昨日も通しをして、夜まで返し稽古。稽古場がある…稽古場があるよ…。ずっとこの思考から離れられない。長らく稽古場を探すのに苦労していた年月があったので、自分のカンパニーでどっしり稽古ができている事実に胸がホクホクする。家を失った人々の不安、帰る場所がある安心感。そういうものと無縁じゃないと少しでも感じながら、想像しながら。

今日は昨年からの宿題を終え、やっと頭の中がすっきりとしてきた感じ。喫茶店を2回、移動しながら、小道具周りの自分が担当したいと言った買い出しをすませて、事務作業も進める。

公演の稽古をしていると急に「どうしてこんなことをしているんだろう」と虚無感にかられる瞬間がある、ということを制作の寺田さんに伝えたら、「わたしは一見無意味なことをしているということがうれしいと感じることがあります」と言った。そういう引力に支えられているんだなと思った。

芸劇はほろびてには大きいが(特に客席)、まだまだ客席が埋まるには程遠いが、でも楽しもう。ぼくは今回書いたものが好き。第一稿から第五稿まで書いたけど、上演稿は自分でもいい、と思えるものになっている。それは日数を重ねても変わらないから、そうなんだと信じることにする。あとは演出が追いついていけてたらいいんだけど、劇場に入ってみないとわからないことも多い。

稽古場で昨年からずっと並走してくれている演出助手の大月リコさんは大学の後輩にあたる(ぼくよりずっとずっと後に入っている)。若く、頭の回転が早くて、仕事も早くてとても優秀だ。引き受けてくれて本当にありがたい。

いろんな世代の役者さんが交わるように今回、意識した。最初に頭の片隅で考えていたことは成功している気がする。上下の目線を集めていくこと。もちろん普遍ではないけど、個人的な目線の集合だけど、いい集まりになった。

今は、もっと自分を信じて、みんなを信じて、進もう。

来週2月2日(金)〜8日(木)に本番があります。
どうしても見てもらいたいです。見てもらうために作っているので。
ファニーではないけど、ベリーインタレストな作品だと思います。
ぜひとも、ご来場をお待ちしています。

〜・〜・〜・〜
芸劇eyes
ほろびて『センの夢見る』

2024年2月2日(金)- 2月8日(木)
@東京芸術劇場シアターイースト

作・演出 細川洋平
出演 浅井浩介、安藤真理、大石継太、生越千晴、佐藤真弓、藤代太一、油井文寧

東京芸術劇場が注目する若手に上演する機会を作るプログラム「芸劇eyes」にほろびてが登場します。分断や支配、暴力の連鎖、移民問題などをミクロな目線から見つめ、描いてきたほろびての新作は、1945年のオーストリアと2024年の日本でそれぞれに生きる家庭のリビングルームが1つになってしまったことから転がっていく物語。
大きな流れの中にありながら、身近な生活を過ごす人々を、独特の視線で描きます。

2月2日(金)19:00◎[初日割:4,000円]
2月3日(土)13:00◉★[前半割:4,300円]〈アフタートーク有/ゲスト 徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)〉
2月4日(日)13:00◉★[前半割:4,300円]〈アフタートーク有/ゲスト 佐々木 敦さん(思考家/批評家/文筆家)〉
2月5日(月)13:00/19:00
2月6日(火)19:00
2月7日(水)13:00/19:00
2月8日(木)13:00

◎初日割/◉前半割
*受付開始は開演の60分前、開場は30分前

[前売・当日共/整理番号付き自由席]
一般:4,500円 (◎初日割/◉前半割あり)
U25:3,000円
U18:1,000円
*U25、U18は公演当日要年齢証明書
*未就学児入場不可(託児サービスあり)
*車いすで観劇をご希望の方は、お知らせください

チケットぴあ(Pコード:521-085)
http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2327763

東京芸術劇場ボックスオフィス
https://www.geigeki.jp/ti/

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター