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氷河期世代はなぜあの時に怒れなかったのか?

氷河期世代(ロスジェネ世代)とは1993年から2004年ごろまで続いたバブル崩壊後の長すぎる経済不況時に社会に出ることになった世代のことを指す。

https://www.medical-tt.co.jp/column/828/

高度経済成長期の昭和時代や、少子化による人手不足の令和時代と違い、筆者を含めた当時の氷河期世代の就職状況は悲惨であった。大企業に就職できたのは一流大学のほんの一握りであり、多くの学生たちは中小企業に、それさえかなわなかった若者たちはフリーター生活などを送ることになった。筆者はまだロスジェネ世代の後半組であったために被害は少な目であったが、前半組の先輩たちは悲惨であった。

日本の氷河期のような経済不況のせいでまともな仕事を得られずに苦しむ世代は世界中で発生している。10年前にはスペインで「インディグナドス(憤慨した者たち)」と呼ばれる若者たちが、高い失業率と不安定な雇用に抗議しデモを繰り広げた。

中国がまさに就職氷河期の真っ只中にあり、仕事にありつけない若者の不満が今にも爆発寸前だ。中国共産党政府は若者の不満がデモにつながらないか不安を募らせ、SNSなどの監視を強化している。

一方、日本の氷河期世代が若者であったころの社会の空気はどんなものだったのだろうか?やはり諸外国のように若者たちの怒りや不満が爆発寸前だったのだろうか?筆者が見てきた現実を書こう。

全くそんなことはなかった。社会は平和そのものであった。

なぜ筆者を含めた日本のロスジェネ世代は怒りを社会にぶつけなかったのか?その理由は沢山あるので一つずつ解説していこう。

まず一つ目が……

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