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婚活ノンフィクション34

昨年末、筆者はとある漫画に出会いドハマりした。それが『婚活バトルフィールド37』だ。婚活に励むデコボコ37歳赤木&青島コンビを主人公に様々な婚活あるあるを小気味よく描いていくその作風に筆者はすっかり虜にされてしまった。詳しくはみんかぶさんで無料公開中の婚活バトルフィールド37紹介記事を読んで欲しい。もうすぐシーズン2も始まるので是非今からでも一緒に婚活バトルフィールド37を楽しんでもらえると嬉しく思う。婚活未経験であり、いまいち婚活という物を深く知らなかった筆者に婚活とは何ぞや?ということを教えてくれたのがこの漫画であった。

婚活バトルフィールドを読んですっかり婚活に詳しくなったつもりでツイッターの婚活業界を眺めていた筆者であるが、現実の婚活業界はフィクションの世界とは全く違うということを今回は思い知らされることとなった。ガチンコの婚活を教えてくれたのが、半国営放送局がギリギリの人間にスポットライトを当てる某ノンフィクション番組の婚活回である。

ツイッターで拡散炎上したのは29歳年収400万婚活男性と34歳婚活女性とのアポ映像だ

34歳婚活女性はいきなり実家暮らしの29歳男性に『いい年して親に頼っているのはどうなのか?』といった趣旨の説法を始めたのである。強烈な開幕の一撃だ。男性は料理を手伝っているなどと弁明したが空気は重く、とてもじゃないが仮交際にはたどり着けそうもない空気だ。さらに今度は女性サイドがプログラミングを10時間頑張っていることを自慢げに話したところに男性から『ChatGPTに駆逐されそうなこと頑張るなんて珍しいですね』といった強烈なカウンターを食らい激昂、すぐさま敏腕婚活アドバイザーに『この男に侮辱された!』とチクりに行き、何故か婚活男性だけが悪者になるという内容であった。

フィクションである婚活バトルフィールド37でも見られなかったような過酷なノンフィクション婚活34に筆者を含めツイッターの多くの男女が震えがることとなった。しかしこれはテレビ番組である。婚活アポの中でも特にヤバイ今回の事例をピックアップしただけに過ぎない。こんなヤバイ女性は1%程度でほとんどの婚活男子はまず出会うことはないだろう。筆者はそう考えてたが、婚活業界で働くプロのフォロワーから『このぐらいの女性は20人に1人はいるよ』という恐ろしい情報が寄せられた。5%の確率でエンカウントしてよいレベルのボスキャラではない。今回の34歳婚活女性のような地雷が5%の割合で潜んでいるというだけで真面目な婚活男子は心的にかなりしんどいだろう

普通の感覚からすれば5歳年下の男性にいきなり説法する意味がまず解らない。内心一目見て『今回の相手はないかな……』と思ったとしても、相槌を打って和気藹々と会話し、気持ちよく解散してから次のアポに向かえばいいのではないだろうか?34歳婚活女性は自分が男性に対して失礼な子供部屋おじさん煽りをしたことは伏せて、完全な被害者のようにふるまっていた。その他責性溢れる姿勢はさすがにアンフェアではなかろうか?また女性の言い分だけ聞いて男性を悪者だと断罪する敏腕婚活アドバイザーもどうなのか?

上記のように感じたツイッタラーが多かったために34歳婚活女性は強いバッシングを浴びることとなった。それとは逆にボコボコにされた29歳婚活男性には同情の声が集まり、34歳婚活女子の肩を持つ敏腕婚活アドバイザーにも疑問を呈する意見が多かった

しかし、その後の展開でなぜこのようなアポイントメントが行われたのか?ノンフィクション婚活業界の本音と建前は何なのか?本当に哀れな人間は誰なのか?ということが赤裸々に明らかにされていくこととなったのだ。

そもそも婚活業界とは商売の世界である。敏腕婚活アドバイザーは都内でも有名な婚活のプロであり、当然今回のアポイントメントを計画したことにも、34歳婚活女性に寄り添った発言をしていたことにも意味があったのである。

婚活業界の抱えるジレンマが、全員を成婚させることは不可能ということである。何百何千という顧客の中には、どう足掻いても結婚できない男女が存在してしまう。塾に通う学生の全員が志望校に合格できないことと同じで、いくらアドバイザーが凄腕であったとしても、100%はありえない。

そんな厳しいノンフィクション婚活業界で勝ち残る婚活アドバイザーとはどんな人物なのだろうか?それは”取捨選択”ができる婚活アドバイザーだ

成婚の可能性がある男女には本気で婚活指導を行い、時には厳しい言葉で叱責しつつも同レベルの異性と成婚するように導く。そして結婚に至る可能性が低い、拗らせた婚活男女には優しく寄り添って、言い方を変えれば手心を加えた指導を行い、諦めて婚活業界から去っていくまで費用をお支払い頂く。腕の良い婚活アドバイザーほど見込みのない顧客には優しく、見込みのある顧客には厳しく接するのである。

番組に登場した婚活アドバイザーも、25歳の未来ある婚活女子が『専業主婦希望』『年収800万希望』という無理筋な希望を出した際には『厚かましいことと言わずにもっとハードルを下げなさい』と一喝している。それに対し、今回の34歳拗らせ女性がぴえん!した際には彼女に寄り添って相手の男性を『ぶっ飛ばしておきます』糾弾した。この差はまさに期待値の差である。

25歳の若い女性にきつくあたるのは彼女が成婚率を上げてくれる良いお客さんだからであり、34歳婚活拗らせおばさんに優しいのは彼女がもはや成婚可能性の低いの判断して諦めているからなのだ。故野村克也氏が『期待される選手なって初めて非難される』という格言を残しているが、婚活業界にもこの格言は当てはまっているのである。

さらに敏腕アドバイザーの腕の見せ所はここからだ。

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