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【設定資料】神秘の精霊族

神秘の精霊族

 精霊族は日輪島の西側に住む種族であり、姿かたちは基本的に人間に近しいが本質的には生き物ではない「何か」である。万物の根源である彼らは独特の魔力を持つ。我々人間は、精霊と契約することでその力を分け与えてもらうことができる。
 だが、魔術師として上を目指す目的で精霊族と契約を結ぶ場合、やたらめったらに適当な契約をしては痛い目に合う。ここでは精霊族がどのような存在であるのか解説したのちに、互いに後悔しない、傷つかない契約の方法を紹介したい。

 精霊族の基本

 精霊族は必ず万象より「ふたつの加護」を得て、「ひとつの事象」を司っている。
 例えば「花と目覚めの加護を受け、春を司る」「青と風の加護を受け、空を司る」といった風にして、必ず「ふたつの加護」と「ひとつの事象」を司っている。
 また、同じものを司っていても違う加護を受けていたり、逆に同じ加護を受けていても司るものが違っているパターンもある。
 精霊たちはみな、この加護と事象を誇りに思っている。

「花と目覚めの加護を受け、春を司る」
「花と目覚めの加護を受け、命を司る」

「花と目覚めの加護を受け、春を司る」
「生命と眠りの加護を受け、春を司る」

 加護と事象の例。同じ加護を受けていても違うものを司っている。もちろん、逆の場合もある。



 部族について

 精霊族は四つの部族に分かれて生活している。これは火、水、風、土と我々にも親しみのある分け方をされているので覚えやすい。火や水の部族は我々人間に対して友好的な傾向にあるが、風の部族は気まぐれ、土の部族は排他的、とやや距離を感じるかもしれない。
 一応部族に分けられているが、その分類はグラデーションのように曖昧だ。部族内ではそれぞれの秩序が存在するが、全体としてはまとまっていない。そこをアマテラス侵攻で突かれたのではないかというのが専門家の共通見解である。



 契約について

 精霊の魂の一部を身体に受け入れる儀式である。具体的には精霊が差し出した魂のかけらを、契約者が受け入れる――食することにより成立する。これにより所有する魔力の質と量が飛躍的に向上するが、そもそもの魔力の相性が悪いと逆に魔力の質が悪くなったり、ひどいときには死に至ることがある。
 精霊側の文化として、契約を行い主を持つことは何よりの誉というものがある。彼らは本能的に「信頼したものに対して忠誠を誓い、従う」ことをよいものとして認識している。故に契約した精霊は契約者に対してやや過保護になる傾向がある。
 また、魔力の扱いが未熟な者が契約を行うと周囲に悪影響を及ぼすことがある。過剰に発生した魔力は精霊たちの理性を狂わせ、近づいてくるものをすべて契約者の敵とみなし襲い掛かってくることがある。契約者の声が届くうちであれば説得をさせるのもいいが、そうでなければ外部の者が代わりに魔力操作を行わなければならないこともあるだろう。
 契約を結んだ精霊は、主である契約者を失う(契約者が死ぬ)と、特定条件下で消える運命が確定する。この条件は精霊によって異なるが共通している点がある。それは「契約者を失ってから最初の何かを経験した後に発生した現象と共に消える」という一連の流れである。
 例えば私の知り合いの精霊は「契約者を失ってから最初の春を迎えた後、最後の桜が散ると同時に消え」た。
 逆に精霊を失った(精霊が死ぬ)場合、契約者が所持する魔力が徐々に減り、最終的に魔力を失うものとされている。普通に生活する分には精霊の方が寿命が長いので滅多に起こりえないことである。

気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)