【短編小説】赤い空の下で
「死ぬかと思ったよぉおお!」
魔物退治に失敗した魔物退治屋の女が、アカツキに担がれた状態で泣き叫んだ。が、それを気にする余裕はない。アカツキは赤い空を見やりながら合流地点まで急いでいた。
緊急救助隊という名称について「単なる救助隊でよいのではないか」という愚問を抱いていたが、その答えはすぐにすっ飛んできた。……そもそもその依頼を受けることができるくらいの手練れが助けを求める時点で切羽詰まっているのだ。そりゃあ「緊急」とつけたくもなる。
「蛇って聞いて行ってみたらさ、大蛇だ