ぽんかん(仮)

物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」、毎週ショートショートno…

ぽんかん(仮)

物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」、毎週ショートショートnoteへの参加など。 誤字脱字衍字の報告助かります、いつもありがとう。※フォロバは気まぐれ

マガジン

  • ノアの本棚

    拙作「ナナシノ魔物退治屋」の世界観をより深く知ることができるちょっとした読み物やフレーバーテキスト集です。

  • ショートショート

    ぽんかんが制作したショートショートまとめです。

  • シロクマ文芸部

    シロクマ文芸部参加作品です

  • ナナシノ魔物退治屋

    魔力を持つ人間と持たない人間が争い、魔物が闊歩する世界で生きる元騎士の青年・ノアと、彼を気に入った盗賊の青年・ラスターが結成した「魔物退治屋」に関わる人々の日常を描いた短編オムニバスです。

  • 創作短編集

    私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。

最近の記事

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【創作大賞】ナナシノ魔物退治屋 -ノアと冬に愛された子- 第一話 冬

あらすじ ナナシノ魔物退治屋 -ノアと冬に愛された子-    第一話 冬  季節が初夏に移ろう頃、この依頼は「緊急」の判を押されてギルドにやってきた。 「冬に閉ざされた村を助けてください。 プレメ村 村長代理 フロル」  プレメ村といえばハチミツの名産地だ。森に近く都市から遠い場所にあるため、観光に行くにはやや骨が折れる。しかし、咲き乱れるレンゲの花見たさに訪れる人も少なくない。  依頼書を見たノアは添付されていた写真を即座にラスターに見せた。あまりにもありえない光景に

    • 【設定資料】アルシュの地区平定

      (本の帯に「何故、蒼鷹は一人で 地区を平定できたのか」という煽り文が書いてある)  当時の商業都市アルシュの地区は、治安が不安定なりに安定しているという奇妙なパワーバランスを保っていた。ところどころに争いの跡はあれど、足を踏んだだの肩をぶつけただので暗殺依頼が飛び交う数十年前のようなことは発生していなかった。  魔術師が暗殺業という職を地区に持ち込み、ルーツのコミュニティの中で暗殺関連の産業が成長したそのとき、アルシュの地区には二大勢力が台頭していた。暗殺業を地区のメインに

      • 本日更新お休みします! 実はnoteのキャンペーンでポイントが300ポイントほどあたってしまったので、5月中になんとか使ってしまいたいです(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠) 当たると思ってなかったので、いざ当たってわたわたするやつ、文具のときにも同じことやりました。

        • 【ショートショート】あわ【ラムネ炭酸寝顔】

             あわ 「眠れないよ」  彼がそういってぐずるので、私は優しくなだめてやった。無視する手だってある。でもなんだか今日はその気分だったのだ。 「眠れるよ」 「こんなに周りがうるさいのに、眠れるわけないよ」 「大丈夫。上に向かって。そうすれば眠れるわ」  別の声がする。 「眠りたくないよ」 「どうして?」 「だってつまらないじゃないか――」  声は遠のいていく。そして、また別の声がする。 「部外者のくせに慰めの言葉を投げるのは楽しいか?」  私は黙り込んでしまった。そんな辛

        • 固定された記事

        【創作大賞】ナナシノ魔物退治屋 -ノアと冬に愛された子- 第一話 冬

        • 【設定資料】アルシュの地区平定

        • 本日更新お休みします! 実はnoteのキャンペーンでポイントが300ポイントほどあたってしまったので、5月中になんとか使ってしまいたいです(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠) 当たると思ってなかったので、いざ当たってわたわたするやつ、文具のときにも同じことやりました。

        • 【ショートショート】あわ【ラムネ炭酸寝顔】

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        • 僕らはきっと同じ夢を見ている
          55本

        記事

          【ショートショート】用法用量を守って【トラネキサム酸笑顔】

             用法用量を守って  トラネキサム酸笑顔は皆の心を癒やしていた。人体の不調を和らげる手助けをしてくれるトラネキサム酸は、この体にとっては笑顔の伝道師。不調がなくなった、と嬉しそうな臓器たちを見て、トラネキサム酸はもっとニコニコ。張り切るのも無理はない。頑張る様子にみんなもっとニコニコ。  が、一人だけ、肝臓だけは仏頂面で黙り込んでいる。トラネキサム酸は心配になって、ついに話しかけた。 「あの」申し訳無さそうに声を掛けるトラネキサム酸に、肝臓は「ああ」と言った。もともと口

          【ショートショート】用法用量を守って【トラネキサム酸笑顔】

          【短編小説】ヒバリ【春の夢】

             ヒバリ  春の夢を見ました。普通、夢の続きなんてなかなか見るものではないのですが、私の春の夢はどうも続きものになっているようなのです。最初、私は見知らぬ女性とベンチに座っていました。桜の花びらが雨のように降り注ぐ中で、私は本を読んでいました。丁度寝る前に読んだ文庫本の続きだったのでよく覚えているのですが、所詮夢は夢ですので、脈絡のないストーリー展開に笑ってしまった記憶があります。女性は私の隣で誰かを待っているようでした。知らない方でしたので、輪郭も顔のパーツも全てが霞

          【短編小説】ヒバリ【春の夢】

          【短編小説】赤い空の下で

          「死ぬかと思ったよぉおお!」  魔物退治に失敗した魔物退治屋の女が、アカツキに担がれた状態で泣き叫んだ。が、それを気にする余裕はない。アカツキは赤い空を見やりながら合流地点まで急いでいた。  緊急救助隊という名称について「単なる救助隊でよいのではないか」という愚問を抱いていたが、その答えはすぐにすっ飛んできた。……そもそもその依頼を受けることができるくらいの手練れが助けを求める時点で切羽詰まっているのだ。そりゃあ「緊急」とつけたくもなる。 「蛇って聞いて行ってみたらさ、大蛇だ

          【短編小説】赤い空の下で

          本日更新お休みします(懇親会よっぱらい)。へべれけになるたびに、拙作ナナシノ魔物退治屋のコガラシマルって異常(酒の強さ的な意味で。)だなって思います。

          本日更新お休みします(懇親会よっぱらい)。へべれけになるたびに、拙作ナナシノ魔物退治屋のコガラシマルって異常(酒の強さ的な意味で。)だなって思います。

          今日上げる予定だった小説の推敲が所用で終わらなかったので本日更新お休みします。明日も用事があるので同じようなつぶやきが投稿されると思います。

          今日上げる予定だった小説の推敲が所用で終わらなかったので本日更新お休みします。明日も用事があるので同じようなつぶやきが投稿されると思います。

          本日更新お休みします。創作大賞の告知が来ました。今年はあちこちの記事や規約をやたら反復横跳びせずに済むようにしてほしいですね。生放送で発表された「応募要項」に関わる情報は特設ページに記載しておいてほしいものです。カイゼンされているでしょうか?

          本日更新お休みします。創作大賞の告知が来ました。今年はあちこちの記事や規約をやたら反復横跳びせずに済むようにしてほしいですね。生放送で発表された「応募要項」に関わる情報は特設ページに記載しておいてほしいものです。カイゼンされているでしょうか?

          【ショートショート】そろそろ限界【雪解けアルペジオ】

           雪解けアルペジオってのは、春が来る頃にゆっくりと季節が移ろう音なんだよ。ぽろろーん、って感じ。ギターやってる人にはわかると思うんだけど、これが結構難しい。ポロローンってきれいな音を出すにはなかなか技術がいる。ギターならちょいと不協和音で済むけど雪解けアルペジオはそーもいかない。ちゃんと演奏しないと雪解けに影響が出る。  例えば一気に雪か解けちゃって水害とか、逆に雪解けを迎えたのに冬に逆戻りとか。あー、分かる? おかげで着る服に困る? いや、本当に申し訳ない。悪気はないんだ。

          【ショートショート】そろそろ限界【雪解けアルペジオ】

          【ショートショート】少し触ってみてもいい?【春ギター】

           ギター弾きが桜の樹の下で居眠りをしていた。先程まで延々と春の歌の弾き語りをしていた彼だったが、客が足を止めることはなかった。なんだか疲れてしまって、そのまま春の温かな気候に目を閉じ……というわけだ。  さて、そこに桜の樹が興味を持った。彼はギターを見るのが初めてだったものだから、人間が手を動かすだけであんなきれいな音を出せることも知らなかった。そして、どうして周囲の人達は足を止めないのかと考えて悲しくなった。  桜が頭を動かすと、花びらがひらひらと落ちる。そのうちの何枚かが

          【ショートショート】少し触ってみてもいい?【春ギター】

          【短編小説】待たない【花吹雪】

             待たない  花吹雪は美しいが私は大変に憂鬱である。  急激な変化というものは大抵四月の初めに固まっている。進級、進学、就職……。私ももれなくその一人で、最初の頃はニコニコと「分からないことがあったら聞いてね」と振る舞っていた上司も、猫を被るのをやめたところであった。もう慣れてきたよね。車の運転は一年間初心者を名乗れるのに、仕事はそうではないらしい。私はまだ、コピー機の前でソワソワしながら誰かの助けを待つしかできなかった。自分がここまで無能だとは思わなかったが、先輩が言

          【短編小説】待たない【花吹雪】

          【短編小説】ワインパーティー

           酒場・髑髏の円舞――。  その席の片隅でノアとラスター、コバルトはボックス席の片側にぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。その他全ての椅子とテーブルは、突如やってきた団体客に全部奪われ、料理もマトモに載せられない。ノアは膝に乗せたサラダボウルからレタスをもしゃもしゃと食べた。サラダ油の味がする。 「常連を大事にしない店は潰れるぞ!」  コバルトの皮肉は団体客の騒ぎに全部吸われていった。ラスターは油でギトギトの肉の塊(何の肉なのかは分からない)を酒で流し込みながら悟った顔をしており

          【短編小説】ワインパーティー

          ちょいと早いですが本日更新おやすみします。久々に閃輝暗点が来て現在偏頭痛の症状が出ています。ぐえー。仕事中にコーヒーガボガボ飲んだのが敗因ですね(⁠*⁠﹏⁠*⁠;⁠)以後気をつけます……。気温も気圧も激しい変動を見せてきますので、皆様もご自愛ください。

          ちょいと早いですが本日更新おやすみします。久々に閃輝暗点が来て現在偏頭痛の症状が出ています。ぐえー。仕事中にコーヒーガボガボ飲んだのが敗因ですね(⁠*⁠﹏⁠*⁠;⁠)以後気をつけます……。気温も気圧も激しい変動を見せてきますので、皆様もご自愛ください。

          【短編小説】願望

           彼女のことは、嫌いではなかった。話をしていて楽しいと感じていたし、底抜けの明るさに救われたことも多々あった。それはきっと俺だけではなくて、俺と一緒に旅をしていた魔法使いと盗賊にとっても同じだろう。特に魔法使いは同性ということもあって、彼女――ヒロインとは、とても気が合ったほうだから。  ヒロインはとても正義感が強く、また同時に行動力を兼ね備えていた。街の人々は彼女のことを「勇敢」だと褒め称えていたのだが、一行のリーダーである俺(巷では「勇者」なんてあだ名がついていたけれども

          【短編小説】願望