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人生2度目の救急車を呼ぶことになった話

先日、大事件が起こった。

ご時世であらゆるイベントが中止になっていた今日この頃。
波も落ち着き、復活する行事も増えてきた。
自分はまたもや写真記録係として工場見学ツアーに参加していた。

人が倒れたのを確認してすぐさま救急車

SDGsをテーマに施設を巡っていた。
巨大工場の一画にある発電施設の説明。
地球にやさしいシステムだという解説が行われていた。
自分はその様子を撮影をしていた。

説明も終盤になり、参加者の質問コーナーが行われていた。

バタンと大きな音がした。

撮影を終え油断していた私は、置きっぱなしにしていた自分の三脚が倒れた音だと思い、音がした三脚の方に目をやった。三脚は立っていた。
同時に「大丈夫ですかー?」と声がした。
その手前では、人が倒れていた。
体を丸めて倒れている。

すぐさま救急車を呼ぼうとスマホを手に取った。
ツアー客の中に2名、同じ行動をとっていた人がいた。

自分はすぐに電話をするのを止め、状況を確認した。
倒れた男性の周りにはツアー客が10人ほど集まっていた。

ツアー主催者の一人がひとけのない遠くのほうへ走って行くのが見えた。
AEDを取りに行ったのだと思った。
自分はなぜか、その人を追いかけた。なぜかAEDは大きくて重いものだと思っていた。
あとは、直感的に何か手伝えるかもしれないと思っていたのだろう。

AEDを運ぶために工場を走り回る

一番近くには工場の事務所があった。
ただし今日は休日のため、事務所自体は閉まっていた。
ツアー主催者はAEDの場所はわかっていないようだった。
ツアーの主催者と工場の管理者が違っていたため、わからなかったようだ。
しかし、工場は稼働していて、工場の中では作業員は仕事をしているようだった。
更衣室らしき部屋を見たが、AEDは見当たらなかった。

あとになって知ったことは
AEDに関して、設置義務や法律はないらしい。
横浜市では設置について条例があるとのこと。
ツアー主催者がAEDについて知らなくても当然だった。

私はAEDを見つけるため、工場を探し回ることにした。
AEDのシールを発見したので、どこかにあるはず。もしくは閉まっている事務所の中にあるはず。

工場内を全力疾走

まずは従業員を探した。
目の前に広がる工場は、まるで埠頭に立ち並ぶ倉庫群のよう。ドラマで見たことのある危ない取り引きを行なっていそうな場所だ。

碁盤目状に立ち並ぶ倉庫の入り口を見て回るも、どれも施錠されている。
しかし、ツアーの合間には休憩している従業員の姿を目にしていた。どこかにいるはずだ。

行ったり来たりするも、人もAEDも見当たらない。

すると休憩中の従業員らしき人を見つけた。
走って近寄っていくと、違った。それはツアーで飽きてしまった小さなお子さんと親の姿であることに気がつく。
急いで踵を返す。
100mほど走って見渡しても通路に人はいないし、入り口らしき場所も見つからない。

諦めてツアーの主催者に合流しようとした時、工場の奥にAEDがあるという情報が届いた。
工場の作業員が多い場所に設置してあるというのだ。

また100mほど走って、奥まで行ってみるがそれらしき入り口が見当たらない。
一つ手前の倉庫に入り口を見つけた。
従業員がたくさんいた!

「AEDありませんか?」と叫んでみるも、工場の機械の音で声は届かなかった。興奮している不信人物の声に耳は傾けないだろう。

諦めて、奥の倉庫まで行き、右から回り込もうとすると、別の作業員を見つけた。
すると、左から回り込んだところに入口がありAEDが置いてあると教えてくれた。

ツアー主催者と合流し、無事にAEDを手に入れ、現場に戻ることになった。

AED運びを主催者に任せたが、走るのが遅い!
救護者まではあと200mはあるだろう。
長靴を履いている主催者に代わってAEDを運ぶことにした。

「誰かAEDお願いしまーす!」と叫びながら、現場に着いた。
すると、倒れた方には意識があったらしく、ボソボソと喋るような、呼吸をしているような感じだった。心臓は止まっていないので、AEDは必要ない。

状況を知らずに飛び出した私は、戻ってきた時には興奮AEDおじさんとして、他のツアー客に迎えられたに違いない。恥ずかしいと感じてしまった。

体感5分以上かけてAEDを取りに行っていたので、もしも心臓が止まっていたら、あまり効果がなかったのかもしれない。

とにかく、倒れた方に意識があって良かった。救急車もそれから到着して、無事に救護されていったので外野としては一安心だ。

反省点を振り返る

今考えると、工場内を車が走る可能性もあるのだろうから、むやみに走り回るのは良くなかっただろう。

その時心臓が動いていても、急に止まることがあるかもしれないからAEDは近くに持ってきておいて正解だったと、医療関係者から聞いた。無駄ではなかった。

救急車が来るまで時間があったため、水の確保や、他にできることがあったかもしれない。
しかし、119番していた方や周りの方が指示をしていたのかもしれない。

緊急事態が発生した時は、冷静ではいられないし、やるべき行動がわからないことが多い。
日頃から想定して備えておく必要がある。

なお、倒れた方は大きな問題はなく、病院で点滴を打ってもらって帰ったらしい。

まさか知らない人のために救急車を呼ぶことが2回もあるとは考えてもいなかった。


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