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2020東京オリンピックが始まり、無事に終わりました・・・

IOC(国際オリンピック委員会)が・・昨年2020年3月24日にオリンピック開催を断念しました。

あれから1年後の2021年・・・

オリンピックが延期になることも、1年延期してもやるのか⁉︎やらないのか⁉︎が議論されることもオリンピックの長い歴史の中でも史上初めてのこと。その原因となったのは・・人類史上最大最悪規模のウイルス拡大によって引き起こされた世界的な人と人との繋がりを絶たれてしまったことにありました。俗に言うウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)です。

”他者との繋(つな)がりが絶たれてしまうと人間ってこんなにも脆(もろ)いもんなんだ”ということをまざまざと突き付けられたようでした。 今年(2021年)に入っても、その被害はまだ完全には収束(しゅうそく)していなくて、ウイルスによる身体に及ぶ直接的な被害と、パンデミックによって仕事ができない。または、仕事がない。などの間接的な被害は世界中に及んでいます。そのような状況でのオリンピックが開催されるのか⁉︎どうか⁉︎なのですから、SNS上でも様々な意見が飛び交うのは当然だと思います。

最終的には、国際オリンピック委員会でのトーマス・バッハ会長の一声で、”オリンピック”と”パラリンピック”は、どんな状況下であっても開催される方向で大きく動き出すことになりました。

勿論(もちろん)、オリンピックに出場するアスリートや関係者の方々、そして医療従事者の方々は、オリンピックが開催されるとなった以上は、感染症対策も含め万全の態勢で臨むことになります。迎え入れて応援する私たちホスト国側もそのような前向きな意識でオリンピックに臨むことが要求されることになったわけです。

そして・・2021年7月23日に東京オリンピックは開幕して、8月8日に無事に閉幕することができました。(13年ぶりに開催が決定した女子ソフトボールは7月21日から試合を始めていました。)

19日間に及ぶアスリート達の熱演は記憶に新しいところです。メダルの数が幾つ?って話も気になるところですが・・閉会式で、IOC(国際オリンピック委員会)からボランティアの代表の方々に感謝のビクトリーブーケが手渡されていたことが何より印象的でした。

大会を終えて、多くのアスリートの方々がオリンピックを開催してくれたことに感謝の気持ちを込めて”ありがとう”を伝える内容が話題になりました。すべての会場が無観客での闘い!いつもならば、観客席からの多くの声援をエネルギーに変えて競技に臨むアスリート達も今回は寂しい気持ちだったと思います。そんな時に沢山のボランティアの方々から拍手を贈られ送り出され、ホッとした気持ちで競技に望めたことではないでしょうか。

あらためて ”人間は人との繋がり無くしては幸せな気持ちにはなれない” ことを痛感したのではないでしょうか?

オリンピック開催に好意的な意見ばかりではありませんでした。先の見えない不安な状態で、反対!意見もあることは充分理解した上での開催決定だったと思います。むしろ・・こういう困難な状況だからこそ人と人が協力しあってオリンピックを開催することに意義深いものを感じないではいられません。何でもかんでもダメ!反対!と否定しているだけでは、状況は何も変わらないのです。 開催国で世界中から沢山の人が日本に来ることを考えれば ”オリンピックによって感染が拡大するのではないか?” そういった不安な気持ちになるのは無理もないことだと思います。人間は本能として、自分の知らないことに ”恐怖”や”不安” を抱くような感情があるといいます。逆を言えば、知ることによって恐怖や不安から少しは解消されるということでもあるのではないでしょうか。時には・・”勇気を持って踏み出す一歩が大切”な時もあると思いました。

この前例(ぜんれい)のない状況での、オリンピック開催という出来事をしっかりと受け止める為にも、そもそものオリンピックの発祥・歴史については知識として知っておく必要があるのではないだろうか?それが恐怖や不安を少しでも和(やわ)らげてくれるのではないでしょうか?そんな思いから自分なりに調べてオリンピックの歴史について簡単にまとめてみました。

●そもそもオリンピックって何だろう?

●オリンピックには古代と近代があるって?

●世の中が混乱して大変な時に、どうしてオリンピックを開催するんだろう?


●そもそもオリンピックって何だろう?  オリンピックの発祥は、紀元前776年のギリシャまで遡(さかのぼ)ることになります。当時のギリシャの人々は、度重(たびかさ)なる戦争と疫病に苦しめられていました。これはきっと、人間たちが殺し合いばかりしていることに神様たちが怒っているに違いない!と考えた人たちは、全能の神ゼウスや多くの神々を崇(あが)める為に、殺し合いで勝敗をつける戦争を休止して、スポーツで勝敗をつける競技祭をオリンピアの地で始めたそうです。これがオリンピックの始まりということになります。

●オリンピックには古代と近代があるって? 紀元前776年から始まって西暦393年までの間、1169年続いたのが俗にいう古代オリンピックと言われています。オリンピックが始まった当時に勢力を誇(ほこ)っていたギリシャという国も、紀元前146年頃には、アレクサンダー大王で有名なローマ帝国に支配され吸収されてしまいました。トップが変われば色々なことが変わっていくのは現代も昔も変わりません。国に争い事がなくなり平穏な日々が送れるようになれば、国民は満足な訳ですからオリンピックをやる必要性も段々と薄れてきて・・遂(つい)には『オリンピックなんてやらなくていいんじゃね!』という意見まで出たんでしょう。西暦393年に古代オリンピックが終焉を迎えました。紀元前776年から西暦393年まで。実に1169年もの長きに渡って続いたのが古代オリンピックということになります。

そして、1500年経過した1892年に当時フランスの教育者だったピエール・ド・クーベンタン男爵という人が知識だけを詰め込むガリ勉教育ではなく、人々にスポーツを通して、考え、行動する力を身につけさせる、スポーツ教育の理想の形として古代オリンピックの復活を思い描き、そして自(みずか)らが動いて人々に訴え続け、近代オリンピックとして再び現代に甦(よみがえ)らせた。ということです。クーベンタン男爵の熱い想いはオリンピック憲章(近代オリンピックに関する規約)にも、しっかりと反映されています。

オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。』と・・

神々を崇(あが)めるために始まった古代オリンピックが、長い時を経て ”人類の連帯と調和” ”平和な社会の建設” にスポーツを役立てる近代オリンピックへと移り変わっていったわけですね。

●世の中が混乱して大変な時に、どうしてオリンピックを開催するんだろう?  長く争いのない日々が続くと、オリンピックは平和の象徴のように受け止められてきましたが・・そもそも混乱している世の中を鎮(しず)めるために始めたのがオリンピックの発祥でした。神々を崇(あが)めることを目的としたことは、現代で言えば ”人類が力を合わせて困難を乗り越えていくため” と置き換えることができるのではないでしょうか?

わたし個人の意見としては、オリンピックが開催される理由は2つあるんじゃないかな?って思っていまして・・

ひとつは、阪神・淡路大震災や東日本大震災に代表される多くの地震による被害、津波による被害、集中豪雨による被害からの復興を願って! そして・・1日も早いコロナ禍からの復興を願って!という意義が込められていると思っています。様々な困難に遭(あ)い辛い思いをしてきた国で開催するオリンピックだからこそ、大変な中から新しい価値を創造し、それに向かって挑戦していくことができる!ことを世界中の人に知ってもらうことを目的としたとも思えます。 

もうひとつは、国際オリンピック委員会が、アスリートや関係者のモチベーション(人が何かをする際の動機づけや目的意識)を最大限に考慮したんじゃないだろうか?と思っています。オリンピックに出場するアスリートと呼ばれている人達は、私たちが想像する以上に、多くのリスクを取り続けてきた人達だと思っています。楽しいことや好きなことを犠牲にしてまで、その先を目指すために苦しい練習に耐え、来る日も来る日も鍛錬を重ねてきた人達です。アスリート本人だけではなく陰に日向に支え続けてきた、関係者や家族や友人たちも、胸を締めつけられる思いで見守り続けてきたんだと思います。『感染するかもしれないのに何でオリンピックに出ようとするの?』という周囲の心配をよそに・・アスリート一人ひとりの心には色んな想いが交錯(こうさく)していたに違いありません。そのような強い想いを一番理解して行動してくれていたのは、他ならぬIOC(国際オリンピック委員会)だったのかもしれません。

17日間(女子ソフトボールを含めると19日間)という、あっ!という間の出来事として東京オリンピックは幕を閉じてしまいました。

喜びに満ちたアスリート。持てる力のすべてを出し尽くしたアスリート。悔し涙のアスリート。オリンピックを開催してくれたことに感謝の気持ちを述べたアスリート。アスリートの反応は様々でしたが東京オリンピックは大成功で幕を閉じました

アスリートたちによって、選手村でのホスピタリティーを絶賛する動画や、日本の文化・風習に感動した動画などがSNSを賑わせています。セブンイレブンの品揃えに驚く声もありました。皆さん、絶賛の後には、思い思いに感謝の気持ちを述べられていたことも印象的でした。

オリンピック開催期間中は、アスリートたちが”困難を乗り越えて力に変えることができること”をフィールド内で証明してくれました。次は私たちが”困難を乗り越えて力に変えることができること”をフィールドの外で証明する番です。オリンピックの発祥は自分自身と戦うことから始まりました。時代の変化とともに世の中は移り変わっても戦う相手が変わることはありませんでした。アスリートと同じく私たちも自分自身の心と戦い続けていかなければならないと思います。戦うといっても何も難しいことはありません。アスリートたちと同じように自分にできる最大限の努力をし継続していくだけです。

・密を避ける
・マスクをする
・手洗い、うがいをする
・不要不急の外出は控える

たったこれだけです。

ご存知のように・・感染症を引き起こしているウイルスは、自分自身では移動することはできません。すべて人間がウイルスを運んであげているのです。

8月24日からは、東京パラリンピックが開催されます。残念ながら・・今現在、感染者の数は日に日に増え続け歯止めのかからない状況が続いています。パラリンピックに参加するアスリートたちが、競技だけに集中できるように・・ホスト国の一人として自分にできる最大限の努力を継続し続けていこうと思っています。そのようなことを真剣に考えさせてくれた東京オリンピックでした。


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