なんでもない日常に気づきたい
バラエティ番組をみていると、芸人のなんでもないけど「ちょっとわかるわ~」というエピソードに感心してしまう。
このあいだ観たバラエティで、芸人のいとうあさこが「公衆トイレの使い切ったトイレットペーパーを、清掃のおばさんよりかえている気がする」といっていた。
あー、わかるなー。なんで最後の人がかえないんだよ、と思うことがあるので共感した。
いつだかのバラエティー番組で、松本仁志が「クラクションの大と小がほしい」ということをいっていて、「たしかに!」と思わず声が出てしまった。
芸人の「なんでもない日常に気づくアンテナ」は、笑いというよりも感心のほうがつよく、もっというなら嫉妬さえしてしまう。芸人はプロなので張り合うことが間違いなのだが。
ぼくもそんな「なんでもない日常」に気づきたい。だから、朝起きてから家を出るまでのあいだに、「いわれてみれば、そうだなー、わかるわー」というものを探す旅にでたい思った。家のなかだけどね。
前日の寝る前に自分のアンテナを4Gから5Gに切りかえ眠りにつく。いつも通りの時間に起きたのだが、昨日の意気込みからなのか目がいつもより冴えている。
いつもと同じ行動。歯磨き、しょんべん、朝食。ここまでは何もない。仕事のしたくをしながら細部まで感度全開でうごいているのだが何も反応しない。誕生日にだれからも連絡がこないような悲しい気持ちになってくる。
やっぱダメか。きっとなにかあったんだけどアンテナが弱かったんだな。さいごにあきらめながら家を出ようとする。そのまえにふんばっておこう。今日も快調な便をすませて仕事に向かおう。
ことを済ませケツ穴にウォシュレットを噴射させる。
ブシューー!!
……
これだ!日常のなんでもない気づき。
それは、ウォシュレットのボタンを押してから一番さいしょにあたる場所が必ずケツ穴より前、つまりちんちん側にズレることだ。
さいしょからケツ穴に当たらないため、かならず位置調整ボタンを2回ほど押してからケツ穴に合わせる。
これはどのトイレにいっても同じだ。位置調整ボタンのない古いタイプのウォシュレットでもケツ穴より前にあたる。
これはぼくのケツ穴が普通の人より後ろについているということなのか。
それとも前についている人用にスタートを前めに設定しているのか。
そもそも開発にいたるまで、どこまでのリサーチをしたのだろう。開発段階でどこまで試験をしたのだろうか。
こんなような会話を進めながら開発に取り組んでいるのだろうか。
世間の声にはどうやって答えているんだろうか。アンケートでもあるのだろうか。
もし、アンケートに答える機会があったらこういうだろう。
「最初の位置が前すぎます」
はたしてこの気づきが「わかるわ~」という共感を呼ぶものなのかはわからない。
でもなんでもない日常に気づいた自分のアンテナが少しだけ伸びたような気がした。
こんなくだらないことを積み重ねて、今日も生きていく。以上。終わり。
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