ブランク4年の元駐妻が未経験でWebマーケターになった件
みなさんこんにちは、ぽん太郎です。
前回の記事ではペット帯同本帰国について書いた。
今回書くテーマは、駐妻さんたちの最大の関心事でもある帰国後の再就職についてである。
私は特筆するスキルがあったわけでも難関資格を所持しているわけでもないごくごく普通の主婦であるが、
今回1ヶ月足らずの転職活動で
未経験のWebマーケティングの仕事に就職を果たした。
今回はその道のりを書いていきたいと思う。
それではどうぞ。
第一章 夫の給料2割減
さて本帰国の後、我が家は重大な変化を迎えていた。
念願のマイホームを購入したのだ。
引越し後しばらくはウキウキしていた我が家だが、もうしばらくすると夫婦の間に不穏な空気が漂い始めた。
これローンの返済大丈夫かな?と。
住宅ローンの借り入れ時に我が家は夫一馬力の年収で返せる額で計算しており、計画上はセーフではあった。
しかし子供1人、猫一匹を抱える我が家。
そこで私も主婦をしていたら、生活は(かなり)ギリギリになるのである。
ここで簡単に説明しよう。
夫は海外駐在中、手当などをもらって日本在籍時より20%くらいお給料がブーストしていた。
それにプラスして家賃無料でタワーマンション暮らし、シッターさんも雇い、週3スタバ(自宅より徒歩1分)というガクト並みの豪華な暮らしをしていたのだ。
それが日本に戻るとどうなるか。
そう、スタバ通いの日々の贅沢を忘れられないまま、綺麗に給料は2割減である。
どういう事態になるかは頭の良い読者の皆さんならお分かりであろう。
何となく口座の様子がおかしいのである。
気がついたらどんどん減っている貯金。
我が家の場合夫は根っからの倹約家だが、
贅沢を忘れられなかったのは主に妻の私である。
このままだとかなりマズイ。
ぼーっとしている場合じゃねぇ。
リビングに目をやるとノホホンと昼寝する猫と子供。
ローンのプレッシャーと妻の無駄遣いに怯える夫。
一家の幸せを壊してはいけない。
私は貪っていたたけのこの里を脇に置き仕事を探すことを決意した。
第二章 三重苦の履歴書
転職活動するにあたり、早速履歴書を作成し直してみた。しかしなんということだろう。
とにかく映えないのである。
新卒から◯年間の事務員(正社員)経験や事務系派遣社員の経験はあるのだが、
如何せんベトナムに帯同した4年間が謎の空白期間を履歴書にもたらしていたのだ。
(直近の)職歴なし
スキルなし
残業の余地なし(子持ち)
まさに三重苦である。
頭を抱えた。
こんな私がどんな仕事に応募すれば良いのか?
しかし、私の頭には一つの職業が浮かんでいた。
ITエンジニアである。
第三章 ITエンジニアと下心
なぜITエンジニアなのか。
実はベトナムで生活している中で、将来自分でやってみたいと思いついたサービスがあり、それにはきちんとしたアプリを開発する必要がある。
「自分でコード書いてアプリが作れれば◯◯◯万の外注費用がかからず開業資金の節約になるのでは」という完全なる下心でプログラミングの勉強をしていた。
ベトナムにいる間に始めたことであったが本当に難しく、自らのプログラミングセンスにもやや限界を感じていた。
そして体系的に学んでみたいという動機で、ITパスポートの資格を本帰国後すぐに取ったり基本情報の勉強もしていた。
その経験をアピールすることでもしかしたら未経験でもエンジニアなら採用してもらえるかもしれないと思ったのだ。
求人を探すにあたりinde◯dを使うことにした。他社の求人サイトと比べ、求人の掲載費用が基本無料だったりするので、幅広い会社の求人を見れると思ったからだ。
「未経験 ITエンジニア」でヒットした求人はかなりの数であった。
求人を読み込みここは研修がしっかりしていそうだな、と思った3社に書類応募をした。
その後3社とも書類+一次選考に通過したのだが、結果的に全て辞退した。
その理由は下記である。
私はエンジニア選考を進める中でエンジニア専門の転職エージェントのAさんと出会い、初めての面談をした。
エンジニアに応募した理由やこれからやりたいことを伝えた結果、Aさんから次のようなアドバイスを貰った。
◯今までの話を総合するとぽん太郎さんが興味があるのはWeb系エンジニアだと思うが、
30代未経験での採用はかなり厳しい(20代からゴリゴリコードを書いてきた人でないと難しい)。
◯インフラエンジニアの道ならまだ門戸は広い。
◯ぽん太郎さんには事務職の経験があるので、受かりやすさで選ぶなら初めはIT事務として入社し、独学しつつエンジニアにキャリアアップするのが良い。
IT業界の右も左もわからない私にとって、このアドバイスはかなり為になるものであった。
そして選考が進んでいた3社でも、最初はIT事務のようなポジションから始まるとのことだった。
選考中面接官の方からも何度か念押しされたが、エンジニアは勉強量が膨大である。
トレンドや言語が目まぐるしく変わり、下手したら1ヶ月前の知識ですら陳腐化する。
それについていくには"本当にITが好き!という情熱を持てるかどうかが全てである"
と選考してくれた面接官の方やエージェントとの面談をする中で気付かされた。
今の私にその情熱はあるのだろうか。
自分でアプリを作れたら良いなと思い目指したエンジニアであったが、果たして何年も時間をかけて勉強しやっとの思いで下手くそなコードを書けたとしても、それが目標である起業につながるだろうか。
もしかしたらローンチなんて到底できないレベルの出来になるかもしれない。
ならば、外注するための資金を用意するための他の能力を磨いた方が良い可能性さえある。
開業コストを下げるために不得意なコーディングを一から学ぶというのは、もしかしたらものすごい遠回りになってしまうのかもしれないということに気づき始めた。
第四章 点と点が繋がる
前章でのITエージェントとの面談を通し、エンジニア職に応募しバリバリのコーダーになるだけの熱意を自分は持ち合わせていないと気づいた私は3社の選考を辞退しまた振り出しに戻ってしまった。
将来自分でビジネスをするにあたり、自分でアプリを作らず外注するとしたら、
外注するだけの資金を用意できる=用意できるだけのスキルは他に何があるだろうか。
そう考えた時、もしかすると自分のビジョンに共感してくれるような仲間を増やす営業力や、
自分のサービスを広める影響力、すなわちマーケティング力を高めた方が良いのかもしれないという結論に至った。
マーケティングについて調べていく中、Webマーケティングという言葉が目に入ってきた。
Webマーケティングか……
私はWebマーケティング、デジタルマーケティングについての本をどっさりと借りてきた。
そして今いかに多くの会社が自社のマーケティングについて困っているか、そして既にWebマーケティング専門のコンサル会社が多数存在し多くの顧客を抱えていることを知った。
"どんなに優れた商品やサービスがあっても、知ってもらえなければ存在しないも同じ"
借りて読んだ本の中の一節であるが、私はこの言葉に雷を打たれたような気がした。
もしマーケティングについて知識や経験が手に入れば、将来自分のビジネスを作るに当たっても役
立つのは間違いない。
そして普段からXなどのSNSを使う中でWebやSNSの影響力の大きさ、そしてそれを運用することの楽しさにも気づき始めていた。
今までやってきたことや考えてきたこと、全ての点と点がつながったような気がした。
これなのかもしれない。
そして翌日、私はinde◯dで片っ端から「未経験 Webマーケティング」と検索し、
自分のスキルでも興味を持ってもらえそうな求人に応募した。
第五章 エージェントBさんとの出会い
結果、8社中5社で書類通過することができた。
ただしその通過したうちの3社はこれまた人材エージェント会社であった。
仕組みとしては、私が"エージェントに委託している企業の求人"をinde◯dで見て応募⇨応募を受けたエージェントが私の書類を見てマッチング度を確かめる⇨エージェントと面談を行い、両者でミスマッチがなければ応募に進める。希望によってそれ以外の求人もエージェントが複数応募してくれる、というものである。
3社それぞれと何度か面談をしたのだが、中でも一番お世話になったのはBさんという同い年の男性であった。
彼は営業畑出身のゴリゴリエリートなのだが、とにかくサポートや声かけがきめ細かい人であった。夜遅くまで勤務し、私のカッスカスの自己PRを読める形に直してくれたりもした。
そして彼と対話していく中で、自分はなぜマーケを志すのかという形が徐々に作られていった。
しかし残念ながら、B氏ふくむ3社のエージェントの勧めてくれた求人はどれも身を結ばず落選してしまった。
そして私が入社することになった会社は、エージェントを通すことなく応募した会社であった。
ならば最初からエージェントを使わなくともよかったのでは?と思う読者もいるかもしれないが、エージェントを使うメリットは間違いなくある。
むしろ今回はエージェントを使ったからこそ内定をとれたとも言える。
私の考えるメリットとデメリットは下記の通りである。
メリット:
◯エージェントとの対話を通じて自己分析ができる
◯PRや履歴書の添削をしてもらえる
◯面談が多いので、人前で理論立てて話す練習になる(採用された企業の最終面接でこの経験がかなり役立った)
◯希望と求人に齟齬がないか詳しく分析してくれる
◯つまづいた時、迷った時に相談に乗ってもらえる
デメリット:
◯エージェントを通して応募した場合、企業側は採用時の手数料を払わなければいけないため採用コストが高くなる。なので未経験者の場合は見送られる可能性も上がる(と思う)
◯仲が良くなりすぎるとエージェントに遠慮してしまって興味のない企業に応募してしまうこともある。あくまでも自分の軸を持つ必要。
◯複数のエージェントとの同時進行はかなり忙しい。多くても2社、できれば1社のエージェントに絞るのがよい。
まとめると、ブランクがあったり自己分析に自信がない人はエージェントの対話で得られる気づきがあり、その気づきが必ず役に立つ時がくると感じた。
第六章 こんな私に内定が!?
そして粛々と転職活動を続けた結果、最終的には自己応募していた2社のうち1社の会社が気に入ってくれ、Webマーケターとして未経験で採用してくれることになった。
年収としては前職の正社員よりやや下がるが、今回の目的はマーケティングの経験を積むことにあるので、本当に有難い採用であった。
なぜ未経験でも受かったのか?
その要因を自分なりに分析してまとめたいと思う。
少しでも参考になれば嬉しい。
①SNS運用の経験があり、それを業務にどう活かすかのアピールができた
②将来の目的がはっきりしていた。なぜWebマーケをやりたいと思ったのか、そのスキルを通じて何を叶えたいかを伝えることができた
③就職先の会社の事業に心から興味関心が持てており、情熱がアピールできた
自分では一番大事だったのは③だと思っている。
応募にあたって会社の成り立ちや事業内容、サイト、SNSを研究し、課題や改善点なども自分なりに考え、最終面接で社長におそるおそる伝えてみたりもした。
そして社長から直々に会社のビジョンや思い、社会にこの事業を通じてどんなふうに貢献したいか、そして私にはどんな役割を期待するかという社長の思いを聞いた時、
自分の中でこれだ!という思いと、今までずっと完成させられなかったパズルのピースがはまったような感覚がしていた。
今回の転職活動で、Webマーケティングについて調べていくうち興味が次々に湧くのを感じ
気がついたら分厚い本一冊を30分で読み終えたりしていた。それはエンジニアの勉強では起きなかったことだった。
もしあなたがとある分野で夢中で取り組めるものがあるのだとしたら、それはおそらくあなたの強みであり一朝一夕で他人が真似できるものではない。
だからあなたが今キャリアにつながるようなことができていないと思っても、何か情熱を傾けていることや夢中でやれることがあるならば、それらが繋がり一つの形になる瞬間がいつか必ずやってくるはずである。
その瞬間を見逃してほしくないと思う。
私の場合それが起業したいという夢であり、ITの勉強であり、SNS運用であった。
そして迷ったらエージェントに相談するのは重要である。
自分を客観視して評価してもらえる機会というのは大人になればなるほど、社会から離れている時間が長いほど中々無いことである。
将来目標に近づくための具体的な行動という部分でも、エージェントのアドバイスは非常にためになる。
最終章 駐妻って何だろう
私はベトナム駐在についていった結果、約4年半のブランクがある状態で今回の転職活動に挑むことになった。
採用がお見送りになった理由はほとんどが「ブランクがあるため」であった。
正直現在の転勤制度というのは、帯同する家族にとってはものすごい負担のかかる制度だ。
それが海外ともなれば尚更失うものは大きい。
しかしそれによって得られるメリットも数えられないほどあった。
それは違う国で住むことによって、自分の価値観がひっくり返る体験であったり、生きるということを考えるきっかけになったり、
何もない環境に放り出されても最後に残ったものが本当に自分のやりたいことであるという気づきであったり、
私にとってベトナムについて行った事は本当に人生の転機となった。大切な友人ができたり、ベトナムに住む多くの人たちともSNSの共感によって繋がることができた。
帯同した結果、人生が変わった。
なので全く後悔はしていない。
しかしキャリアを積むと言う側面になると、ビザで仕事をする権利も制限されてしまうこともある駐妻という立場は(国によっても異なるが)、
不利な立場に立たされると言わざるを得ない。
でもそんな中でも、こんなどうしようもない奴でも、目標を持って諦めなければ拾ってくれる会社がある。
これを読んでいる人にはぜひ自分の「やりたいこと」を諦めて欲しくないと思っている。
仕事することだけが人生ではなく、何に価値を置くかは個人で異なる。
それでも何か情熱を傾けてやってみたい、
自分にしかできない仕事をやってみたいと思い行動し続けている人には、絶対にチャンスが巡ってくる。
心からそう思っている。
乱文になってしまったが、この記事が少しでも誰かの参考になれば嬉しい。
これからも新米マーケターとしての勉強の日々やベトナム時代の出来事なども遡って書いて行きたいと思う。
ぜひぽん太郎の今後も知りたい方はnoteのフォローお願いします🙇♀️
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