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雀と烏にご馳走を

無人精米所は、いつにも増して、行儀の悪い状態だった。

1台の精米所のドアは思いっきり開きっぱなしだし、僕が入った精米所の床には、多量の米が散乱していた。

田舎の人は、人が悪い。

とにかく自己中心。

自分が良ければなんでもいい、という人が多い。

田舎の人は、「田舎の人は、人がいい」と言うが、井の中の蛙である。

まず、開きっぱなしの精米所のドアを閉めた。

次に、精米機が稼働している間に床を掃除しよう、と思った。

無人精米機に玄米を投入し、米袋を棚の上に置いて、精米機のスタートボタンを押して、床を箒で掃き始めた。

ところが、精米機から、精米された米が溢れてきた。

慌てて、棚の上に置いておいた米袋を、精米機の排出口に置いた。

通常は、バネ仕掛けでシャッターが閉まる排出口のシャッターが、どう言う具合か、開いていたようだ。

精米したばかりの米が、床に大量に散乱してしまった。

たぶん2合くらい。

しようがないので、いつものように、箒で外に掃き出した。

雀や烏の、明日のご馳走だ。

慌ててしまって、ズボンもホコリだらけにしてしまった。

そして今、沈んだ気分でチェアに座っている。

危険予知だの、FMEAだの、と偉そうなことを言っているが、精米機の排出口のシャッターが閉まっていないことは、想像しなかった。

人生いろいろあるものだ。

そして、僕はいつまでたっても未熟者である。


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