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DTMのこと

コンピュータで音楽を、と思ったのは、やはり冨田勲先生のシンセサイザ音楽の影響が大きかったと思う。クラシックの名曲を想像力豊かにシンセサイザで演奏したレコードを何枚買ったことか。

僕もいつかはクラシックのオーケストラ音楽を、と思って、大学の計算機工学の先生に相談して希望を打ち砕かれたことは、昨日だったかも書いた。先生は、「そういうことは金がかかる。パピコンを買って遊んでいなさい。」と言った。パピコントは、NECが発売したPC-6001というパソコンのことだ。

大学を卒業してから、YAMAHAのMSXパソコンCX5Fを買った。CX5Fは、拡張スロットに、8声のシンセサイザユニットを装着することができた。いちおうオーケストラのinstrumentが入っていた。そして、ソフトウエアスロットに差し込んで使うことができるノーテーションソフトが売られていた。僕は、たぶん新入社員の給料をつぎ込んでそれら一式を買った。

そして、演奏して、カセットテープに録音して、知人などに配ったりした。時に1986年。演奏した曲は、ショスタコヴィッチの交響曲第5番「革命」の第2楽章、マーラーの交響曲第1番「巨人」の第4楽章、など、錚々たるものだったが、サウンドはチープだった。

そして、たぶん1988年だったかに、RolandからSC55という音源が発売された。たしか16声の音源だった。これを買い、ノーテーションソフトのEncoreを買った。いまでは定番となっているFinaleは、当時18万円くらいしたと思う。Encoreは8万円で買えた。そして、Encoreで演奏したものを、そのままCDに焼いた。CD400枚で40万円。いやー当時はお金持ちだった。収録した曲は、リヒャルト・シュトラウスの「メタモルフォーゼン」と、シベリウスの交響曲第7番だった。

その後、Visionを買い、Studio Visionを買った。VisionのヴィジュアルなエディタでExpressionを駆使した僕の演奏は、「まるで息遣いが聴こえるようだ」とも言われた。仲間たちとVicterレーベルのCDを出し、自分でCDを作って著名な演奏家に聴いてもらったりもした。

その活動は、1998年で一応終了した。Visionを開発していたOpcode社が買収されて、Visionの開発が終了したことは、大きな衝撃だった。

そして昨年の2018年に、思い立って、Logic Proを買って、ずいぶん久しぶりに演奏を試みた。そのデータを次に貼り付ける。

まずは、ピアノソロの曲。FaureのNocturneの第4番。Faureの曲は難しい。ひとまず楽譜をおさらいするような演奏となった。これを演奏して、その後で、著名なピアニストの演奏を聴くと、音の使い方がよくわかった。音源は、Logic Proに付属しているものを使っている。

もう1曲演奏してみたものはこれ。Sibeliusの「Valse Triste」。小編成のオーケストラ曲。オーケストラの効果を発揮しにくい難しい曲。これもLogic Proに付属している音源を使っている。

良い音源を買って使いたいところだが、先立つものはない。目指すところは、音楽を作り、Houdiniでアニメーションを作り、合わせて作品を作り上げることだ。先は長いが、目標があれば生き甲斐にもなるというものだ。17歳のときに思い立った夢に、少しずつ近づいていると思いたい。


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