朝の収穫
今朝、いつもの散歩コースの中程あたりで、道路脇の、2メートルくらい低くなっている草むらの中に、光る物体を見つけた。角度を変えてみると、それは、缶コーヒーの空き缶だった。
少々急な傾斜のコンクリートの、泥と草に覆われたスロープを歩いて降りて、背丈の低い草むらをかき分けて少し行けば、手が届きそうだった。
しかし、仕事用のスラックスにスニーカーという格好だったので、誰かに託す気持ちで、そこを後にして、道程を進み始めた。
しかし、なんとなく、口元が緩む。せせら笑いをしているみたいな感覚が襲ってきて、50メートルくらい進んだところで、足を止めて、引き返した。
そして、スロープを降りて、草むらをかき分けて、缶コーヒーの空き缶を右手でつまんで、再びスロープを登り、そして、公園の自販機の脇にあるトラッシュ・ペールに入れた。
スラックスには、植物の種がいくつかと、朝露がついていた。
散歩に戻ると、近くに、甲羅だけになった先日の亀がいた。
散歩の帰り道の今日の収穫は、ティシュペーパー1枚、タバコ3本。
毎朝、それなりに収穫があるが、今日はそれに空き缶が追加になった。
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