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ホテルアルバイトをしている話

久しぶりの投稿になってしまったが、今回は最近あった出来事や思ったことではなく、唐突に自分が勤めているホテル配膳人のアルバイトの話だ。
書こうとしたきっかけは母校(高校)と在学中の大学が同じの3先輩の、バイトに関するはてブロを読んだこと、そこに先輩がやろうか悩んだ職の1つとしてホテルアルバイトが書いてあったことだ。(このnoteを下書きにず〜〜っとおいてたのでこれは大昔)
前から書いてみたかったこともあって、最近は新型コロナウイルス云々の問題のせいで3月から全くシフトが入らず、失職中なのだが、思い出しながら実体験も交えつつ、基本システムをメインに書いていこうと思う。先に断っておくとこの話、書き出すと予想外に超長くなってしまったのはどんどんまいまい。あと超おもんない。

この職にしたきっかけ

1番のきっかけは、父が専門学生の頃に神戸の遊覧船内にあるレストランで配膳人を勤めていたらしく、配膳人は稼げるぞと聞いていたというのと、「なんかマナーとか身につきそうやし客層も高そうやしええやんええやん」みたいな適当な憧れの気持ちとで、高校の頃くらいからブライダル系の場か前述の遊覧船なんかで配膳人をしてみたいと思っていたことだ。

また、わたしは大学に入ってもなお部活に入って陸上を続けているので、

①週固定シフトじゃない
(大会や練習に左右されても自由が効く)
(先の予定を見通すのが苦手だから固定でない方がいい)
②時給が高い
(あまり入れないけど稼ぎたいお金欲しい)

という超ワガママな条件が両方効くので超超超都合が良い配膳人バイトがまさにわたしにとって最適解だった。

仕事の仕組みと勤め方

冒頭からアルバイトアルバイトと述べてきたけれど、わたしが勤め先として登録しているところは「配膳人事務所」なるものであり、固定されたお店や事業所に勤めて働き続けるわけではないので、イメージとしては「(単発バイトの)派遣登録の繋がりが強いバージョン」みたいな感じだ。(語彙力)
もちろんホテルに直属することもできるが、ここではわたしのパターンの話だけをする。

わたしの場合、確か求人情報はバイトルに記載されていたものを見つけ、フォームに従ってメールで連絡すると、「じゃあ登録するのでハンコと口座情報持ってきてね!」と突然言われた。そうこの業界、面接&履歴書など全くなしに顔も境遇も知らない人をも採用してしまうレベルに慢性的な人不足なのだ。諸手続きを済ませ、登録をして瓶からのお酒の注ぎ方や粗相の対応方法などを講習で習うと翌日からは(未経験者の場合)最低ランクから配膳人ライフがスタートする。

賃金ランク

そう、サラッと書き流したがこの業界にはランク(賃金ランク)があるのだ。
相場で言えば時給1000円〜1300円のランクから始まり、その後は累計勤務時間50時間毎に4回くらいは時給が50円ずつアップする。
ランクは仕事の際に慣れ/不慣れの判断をするのにも用いられ、「上級ランクしか入れない宴会」なんてものがあったりするし、「このランクなのにこんなことも立派にできないの?」と叱られるのに使われたりもする。ぴえん。ちなみにわたしは2つのホテルで働いていて、時給1300円と1400円ですうふふ。
わたしのように2ヶ所のホテルに登録しておくこともでき、働いた時間は合算して計算される。つまるところ「賃金ランク的には2x上がってるけどそれぞれのホテルでの経験値ランク的にはx」という事故が起こりうるのだ。わたしだ。ぴえん。

求職方法は、毎週火曜くらいに登録した事務所からメールで届く「求職申込書」のフォームにその次の週(月曜始まり)の7日間分各日いつ入りたいかを記入し送信する。木曜の18時までにそれを済ませ、待っていると日曜の昼くらいに、求人先(働く所)と始業時間が記入されたものが再びメールで返信されてくる。終業時間は記入されていないが、ホテルの仕事は
「シングル=4時間」
「ダブル=8時間(途中1時間休憩あり)」
の単位が一般的であるので、わたしはいつも8時間に満たないように申し込んでいた。気持ちは4時間が精一杯なんだよ…社会人になんてなれないよぉ…(一応6時間とか4時間×2(休憩3時間くらい)なら働いたことがある)

そして勤務前日にこれまた事務所からメールで届く「労働条件通知書」(勤務日、賃金、勤務場所、各種手当などが記載されたお知らせ)を受け取り、翌日やっと勤務になる。なぜ逐一そんなもんが書かれて来るかと言うと、働くホテルは指定とかNGとかを申し出ていない限り毎回決まってるわけではなく、また、ホテルの中でも毎度労働内容がまちまちなのだ。(次項)


いざ出勤

労働条件通知書に書いてあるホテルへ出勤し、制服に着替える。このとき男性はカッターシャツとスラックス、女性はストッキングとシニヨン、黒パンプスを各自私物を用いる。たまに黒いTシャツを下に着てくるように、などの指定が入ることがある。
そして着替えを済ませたあとはホテル内の、所定の宴会場やレストランへ移動する。正直めっちゃ広くてたまに迷う。裏方ってどこもショボ汚い似たような廊下だからね…。

ホテルの仕事は、かなり大まかに分けると3種類ある。
・歓送迎会や婚礼などの宴会の配膳人
・レストランのランナー、バッシング
・説明会や勉強会配膳人
の3つだ。

ランナー…厨房からサービス(=テーブルへの配膳、取り分けなどの客の直接的な相手)をする人まで料理を運んだり、下がってきたお皿を洗い場に持っていったり、シルバー(銀食器、カトラリー)などの補充を行う(主に運び屋)
バッシング…下げもの。食べ終えた皿やシルバーを下げて洗い場へ運ぶ

まず、1番スタンダードでメジャーな宴会配膳人について。
主な流れとしては始業してから、
①客が来るまでにテーブルのチェック(=グラスやシルバーに汚れのないよう拭く、椅子の数は足りているか確かめる、半円2つからなる円卓の高さを揃えるなど)を行う。
たま〜に不備があったりするので、見つけたらヒーローみたいな気分になりつつ、「客が来る前に気づけてほんとによかった…」と肝が冷える。

②ミーティングを行い、キャプテン(室長)と呼ばれる宴会責任者的なトップのオジサン(ごく稀にオバサン)に、担当テーブルや宴会のタイムテーブル、乾杯や暗転、各料理の配膳などのタイミングなど様々な詳細を言い渡される。

③ミーティング通り宴会を進める。婚礼の場合まず担当テーブルの客に「口上」と呼ばれる、超要約すると「オメです〜担当はわたしです〜よろ〜なんかあったら言ってね〜」みたいな挨拶をする。
コース料理の場合、言われたタイミングでお酒注ぎつつ料理を配膳したり、合図でお皿を下げたりする。みんな、頼むからちゃっちゃと食べきってくれ。下げられんくて料理が溜まっていくのほんまに厄介なんや。あとな、テーブルにスマホとかカメラとか置かんといてな、料理が置けんのや。
ビュッフェ形式の場合、ただひたすらにバッシングと飲み物の配膳を行う。もちろんコースと比べて圧倒的に楽で好きだ。ただ各テーブル、料理卓も含めありとあらゆる所が食べさし飲みさしの中途半端な皿とグラスで溢れかえり、ほぼ100%会場がきちゃなくなってしまう。

④宴会終了後、「どんでん」と呼ばれる、終わった宴会の片付け+次の宴会の簡単な準備 を行う。
このとき椅子ねこ(椅子専用の台車)に椅子10脚を積んで載せて運んだり、小さめの円卓を持ち上げるなり転がすなりして運んだりとかする訳ですよ。当然力がめちゃくちゃにいる訳ですよ。運動部で良かったァって毎回心底思います。
ホテル勤務に優雅で大人しそうというイメージを持って勤めだしたんですけどね、めちゃくちゃタフです。長く働いてる男性なんかは大抵、ものすごく腕がムキムキで、なおかつ腰痛持ち。

⑤上がり時間になるとキャプテンなどに呼ばれて、配膳をした宴会毎に作られる、勤務した人のリストに各人の勤務時間とキャプテンのサインが書かれ、解放される。

次に、レストランランナーの仕事の話。これは超単純で接客もないしスタッフも少数だしで、ポンコツなわたしでも叱られることも少ないので割と好きだ。

【夕食・オーダータイプ】
①所定のレストランへ移動して他のスタッフに挨拶周りをする

②お盆に載せられた料理を、言われた台ヘ置きに行く

③空き時間にグラスを拭いたりおしぼりを巻いたりお茶パックに茶葉を詰めたりする。

④閉店まで残る場合はレストラン内各所(レジ、事務室、厨房など)のゴミを収集してホテルの大きなゴミ置き場へ台車で持っていく

⑤店長に労働時間などを記したリストにサインしてもらい、事務所に提出する

【朝食・ビュッフェタイプ】
①所定のレストランへ移動して他のスタッフへ挨拶周りをする

②ひたすら下記の繰り返し★
・客が来たら空席へ案内し、卵焼きは要るか、目玉焼きか、スクランブルエッグか、コーヒーや紅茶は要るか、を訊き、専用のオーダー表に書き込んで卵焼きブースへ持っていく(焼き上がったらそのテーブルのオーダーとったかとってないかに関わらず持っていく)
・食べ終わった皿は随時バッシングし、洗い上がって乾いた皿は表の所定の位置へ持っていく
・ティーバッグや牛乳などが切れたら補充する
・空席が出来たらバッシングしてダスター(布巾)で拭き、インカム(内線)で伝える

以上!!!書き上げながら「えっ…めっちゃ楽やんわたしランナー専任になろっかな……」と思った。指定しなかったらランダムなのでね…


あとがき

今までにないくらい、めっちゃくちゃおもんないnoteができてしまって非常に驚いている。まあでも
知りたい人もいるかな〜?という一縷の希望を持ってニッチ需要に答えていきたいので書き置きさせていただいた。嘘です。自己満です。
実際客層はある程度高く、下品に酔う客や厄介な問題というものは少なく、その点ではそこそこ働きやすい業界だと思う。しかしながらその代償としてこちらからの失礼がないように緊張を伴う現場である場合が多いので、そういうのに弱い人には本当に辛かろうと思う。オチはありません。

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