橘美花

空想の旅、ノスタルジーへの誘い。 好きな曲に写真を組み合わせたり、 ウクレレ弾いたり…

橘美花

空想の旅、ノスタルジーへの誘い。 好きな曲に写真を組み合わせたり、 ウクレレ弾いたり、スイミング習ったり、なりきったり、詩や短編小説を書いたりなどしています。 2021年秋に仕事を辞め何者でもなくなった42歳主婦が、何者かになろうとしているエッセイのような空想日記。

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  • 【短編小説】赤い月は見ていた

    連載中です。

最近の記事

本当のことを話そう

金澤詩人倶楽部様主催の2023年度金澤詩人賞に入選した2篇を掲載いたします。 どちらも一年前の今頃に自然と生まれた思い入れのあるものです。 どのような形で表に出すべきか悩みましたが、 良い機会なのでnoteで公開することにしました。 この度は数多くの作品の中から選んでいただきありがとうございます。 本当のことを話そう 春は別れの季節 だから本当は、 訪れのよろこびよりも 寂しさのほうが大きい 新しい場所への期待よりも 不安のほうを強く感じる 日差しのあたたかさより

    • 椿の涙

      金澤詩人倶楽部様主催の2023年度金澤詩人賞に入選した2篇を掲載いたします。 どちらも一年前の今頃に自然と生まれた思い入れのあるものです。 どのような形で表に出すべきか悩みましたが、 良い機会なのでnoteで公開することにしました。 なお、こちらはローマ字ver.もあわせてお楽しみいただけたらと思います。 この度は数多くの作品の中から選んでいただきありがとうございます。 椿の涙 桜が咲くと 椿が落ちる そろそろ自分の番は終わりと気付くのか 山の階段を彩る絨毯となって

      • 【短編小説】赤い月は見ていた 第二夜

        第二夜 丈くらべ トラウザーの丈は、誰の身体を基準にして考えられてているのだろう。 試着室用に置いてあるハイヒールはどう見てもまともに歩けるようなものではなかったけれど、せっかくだから足を入れてみる。すると鏡の向こう側に、理想的なラインの女性が現れた。その美しい形は想像以上で、自分に嘘をついているような後ろめたい気持ちになって思わず目を逸らした。裾を上げれば当然、失ってしまうものがある。身体に服を合わせるのか、服に合わせて靴を選ぶか。ヒールの高さとカットする生地、その我慢

        • 【短編小説】赤い月は見ていた 第一夜

          第一夜 ラッパと挫折 「トランペットをお返しします」 まるで自身とは別人の鈍感な女を演じ、精一杯の明るい声で言う。 断ることが苦手だった。そこが弱点だと自分でもよく分かっている。 それでも明日、42回目の誕生日を迎える前にこうして肩の荷を降ろすことができた。自分の行動の後始末を自分で出来たのだから、もう上出来ではないか。 慣れないことをしたせいで酷く頭痛がしている。脳と連動しているのか疲れが眼にもきていた。終わってしまえば身体も心も楽になると踏んでいたからこれは想定

        本当のことを話そう

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        • 【短編小説】赤い月は見ていた
          2本

        記事

          小説は泡のように

          無印で竹のストローを買おうとしたら、炭酸には使わないで、と書かれていた。 その後立ち寄ったカフェでオーダーした、すだちソーダのストローは麦。 プラスチックは日本ではほとんどリサイクルされていないという記事を読んで、やっぱり、と溜め息。事実を知らなければ消費のその先を想像することもできない。 初めて書いた短編小説の世界からまだ抜け出せず…実質5日ぐらいで書き上げた荒削りな仕上がり。でも、きっとこれが最初で最後。いろんな意味でやってみてよかったと思う。 ・ 。 ゜ 木地師の彼

          小説は泡のように

          プレイバック part3.

          生まれ育った街で生きてゆくということは、過去の自分と向き合うことでもある。 古い縁と新しい出会いが混ざり合う新しい人生が動き出した。 真っ直ぐな赤でも明るいオレンジでもない。 誰にも媚びることのない、覚悟のルージュを手に入れた。 この色で秋へとシフトチェンジ。 No.405 “Playback”

          プレイバック part3.

          海の宝石箱

          珊瑚に続き、パールが長い眠りから目を覚ます。 粒が大きくて持て余していた冠婚葬祭用のネックレスも、白シャツの内側から覗かせてみると目立ち過ぎることもなく淡い光を放って肌にフィルターをかけてくれる。海のパワーを借りて、女性はもう一度美しく輝くことができるようです。 去年着ていたTシャツが、今年は似合わないように感じてしまう。そんな変化も、前向きに楽しんでいきたい。

          海の宝石箱

          Spark joy.

          伸び放題のガジュマルの枝を、まだ一度も剪れないでいる。 多くのものを持ち過ぎていた。バランスを崩し、立ち止まってみてようやく気付く。 新しいことを始める前に身辺整理が必要だと感じているけれど、何を残して何を手放すかの選択ができずにいる。そのどれもが大切に築き上げてきた自分の一部と信じているのだから、手強い作業となることは火を見るよりも明らか。得るよりも手放すことの方がずっと勇気がいる挑戦のようだ。 そんなことを考えていると、ふと思い出した整理収納アドバイザーの言葉。いつでも

          西郷 made

          saigo made 最後まで、をローマ字にするとこうなる 気付いてしまってひとりはしゃいでる ・ 思い立ったが吉日 いそいそとPCをひらいて 以前書いた椿の詩を早速ローマ字にしてみた スペースを細かく挟まないと かえって意味が伝わりにくいような気が なんかこういうこと、高校の国語でやったような… あれは一体何の勉強だったっけ 日本語の音の難しさ、 言い換えると奥深さを感じられたので やってみて良かった でも小学校でローマ字教えるのは懐疑的です

          【短編小説】幸せの結末

          プロローグ きっと誰にでも、心から愛した人との大切な記憶がある。例えその結末が、幼い頃に読んでもらったお伽噺や、あるいは期待を裏切らないドラマのようなかたちをしていなかったとしても。  ゆっくりと記憶のなかの川を遡る。出会った瞬間の感情を、今も鮮明に思い出すことができた。  始まりは今から5年前、2018年の9月。当時勤めていた会社が運営する情報サイトで、全国各地のものづくりに関する記事を担当することになった。その最後の取材先として初めて訪れた、福井県鯖江市。

          【短編小説】幸せの結末

          昔はそれが、煙草だった。

          朝、コーヒーを淹れる。 職場へ向かう。 まずはコーヒーを淹れる。 昼休みが終わる。 とりあえずコーヒーを淹れる。 あと少しで今日の仕事が終わる。 ほっとしてコーヒーを淹れる。 ・ まだ二十代の頃、夜の食事処 後から入ってきた異国の親子は 禁煙じゃないとわかりすぐに出ていった 欧米は進んでいるなと感じたのを憶えている それが今はもう目にすることもなくなった 煙草で一服する人の姿 うちの子たちは煙草の煙が どんな匂いなのかをきっと知らない 代わってコーヒー消費者相当増えた

          昔はそれが、煙草だった。

          ばら印の人生

          なかなか花を買うことができないので もう諦めて見て楽しむことにする 結局どんなに着飾ってみても 花の麗しさには敵うはずもなく それでも綺麗になりたいと思うのは 君は薔薇より美しい、と言ってほしいから 疲れたしケーキ買って帰ろうかな 思考が花から甘いものへ移ったのは 帰り際にばら印の砂糖を見てしまったせい 薔薇でお腹いっぱいって言ってたはずなのに… 安心してください ケーキ屋さん定休日でした

          ばら印の人生

          めがねの快進撃

          増永眼鏡✕SHOW-GO YouTubeにあがってきた動画の衝撃… SHOW-GO大好きなのに全然知らなかった 自称めがね大使として恥ずかしいです 我慢できずに雰囲気真似してみたけど ビートボックスはさすがに無理でした 欲を言えば、 私も撮影に参加したかった~

          めがねの快進撃

          色と名言

          白って200色あんねん アンミカの名言 最近は色々あって 色のことばかり考えてる このコンビニコスメのネイルカラーも 悩んで買って、いざ塗ってみると 偏光パールが黄色っぽくて…思ってたのと違う… 500円とはいえ使わないなら無駄遣いでしかない アンミカ的ポジティブ思考でいくとすれば 足の爪に塗ったらええんよ …かな?

          色と名言

          そこに何が見える

          同じものでも人によって 捉え方が随分と違うようで 例えばこの大量のアルミ缶を ごみと見るか 資源と見るか アートの材料か 私はというと、 ・健康でいたいけどお酒はやめられない ・お酒は飲めないが気分は味わいたい ・潰す人は意外と少数派かもしれない そんな人の行動心理を想像し始めるからもう大変 ごみ処理については昔から気になるテーマのひとつ 自分たちの手を離れたごみがどのような動きをしているのか ただ事実を知りたいと思う すべてはそこから

          そこに何が見える

          色と花言葉

          ヒヤシンスの蕾が開きはじめた 薄紫に見える花も 写真には淡いブルーに写る 色は光の加減や 見る人によっても捉え方が違う ヒヤシンスの花言葉 青は 変わらぬ愛 紫は 悲しみ 物事に潜む二面性 変わらぬ愛は悲しみを孕んでる

          色と花言葉