月の夜に

猫の目のような月が
夏の夜を煌々(こうこう)と照らす。

恋人繋ぎの手が汗ばむのは
あなたといるからかな?

2人歩く夜道
それがたとえ獣道でも
怖くはないわ。

あなたといれば
夜も昼みたいに明るい。

そっと寄り添い
あなたの香りを嗜む
汗と皮膚、ほんのり残る
柔軟剤の香り。

不意に抱きしめようとしたら、
「まだおあずけ」
と言って、ツンと
頭を人差し指でつつく。

「みんなまだ起きてるから、ね」

この関係は、秘密の関係。
誰かに知られたら
彼の生命が終わる。

それでも、惹かれる。
早くみんな眠って
2人きりになりたいから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?