夢だろうと思った。
ドッキリなんだろうとも思った。
でも、朝目が覚めたら、現実がより現実になっていた。

推しが死んだ。

漫画やアニメの中の話じゃない。
現実にいた、大好きな俳優さんが、急逝してしまった。

＊

滝口幸広さんを知ったのは、今から5年も前のこと。友人から借りた『大江戸鍋祭』と『僕らの図書室』を見て、彼という存在を知り、"舞台"という世界を知った。
たっきーや、るひまわりさんの作品を見たくて、その年末、初めて東京まで舞台を観に行った。あれから5年が経つけれど、私が東京に行く理由は、いつだってたっきーが出演する作品を観るためだった。決して一生懸命なファンではなかった。出演する舞台の全てを見たわけじゃないし、たっきーが出演したテレビ番組や動画配信を見逃すこともあった。
それでも、そんな私にとっても、たっきーという存在はいつだって光だった。
たっきーが頑張っていると、なぜか「負けてられっかー！」という気持ちになって、私も頑張れた。たっきーのブログやインスタを見るのが毎日の楽しみだった。共演者の人がたっきーの話をしてくれるのが、すごくすごくうれしかった。舞台の上で楽しそうにしているたっきーを見ると、いつだってパワーをもらえた。

また会いに行けるんだと思っていた。
まだまだ、会いに行くつもりでいた。

エーステで楽しそうに客席のみんなとコール＆レスポンスの練習をするたっきーが頭から離れない。客席と対話をするときのたっきーがすごく好きだった。とても生き生きしていた。若い俳優さんたちが主役のステージでだって、こんなにみんなから愛されて、楽しそうに暴れている、そんなたっきーが好きだった。

いつかの誕生日、たっきーは「ファンのことは、戦友だと思っている」と話していた。それがすごく素敵で、大好きだなあと思った。

ブログやインスタにたっきーのご家族が出てくるとうれしかった。家族や地元が大好きなたっきーが大好きだった。

ねえ、たっきー。嘘でしょう。
大好きなご家族や仲間を置いて、旅立っちゃうなんて。破天荒にもほどがあるよ。
こんなことで、ニュースのトップ画面になんてなってほしくなかったよ。売れるって、生きてなきゃ、だめじゃん。

現実味がなさすぎる。文章を書いてみたら少しは実感湧くのかな、なんて思ったりもしたけど、そんな気配は1ミリもない。一生、湧かないのかもしれない。だけど。

こんなに楽しい世界を教えてくれてありがとう。
素敵な世界に出会わせてくれてありがとう。
毎日ブログを更新してくれてありがとう。
質問大会してくれてありがとう。
千葉の状況を教えてくれてありがとう。
いつも元気をくれてありがとう。
たっきーに出会えて、大袈裟でもなんでもなく、確実に私の人生は変わりました。
あなたに出会えて、本当によかった。

どうかゆっくり、休んでください。

＊

最後に。
たっきーの大好きなご家族、ご友人、役者仲間のみなさん、関係者のみなさん、そしてたっきーのことが私なんかよりもっともっと大好きな人たちに、心からお悔やみを申し上げます。

たっきーにたくさんパワーをもらった一人として、これからも私は、たっきーに笑われないように、生きていきます。

2019.11.15 西垣ポプラ