西垣 ポプラ

エッセイ / #8月31日の夜に / 双極症/うつ病 / 推しの話 / 犬と暮らしてい…

西垣 ポプラ

エッセイ / #8月31日の夜に / 双極症/うつ病 / 推しの話 / 犬と暮らしています

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  • #8月31日の夜に #夏休み延長戦

    2つのタグの文章まとめ

最近の記事

一番星を抱きしめて

大好きなたっきーこと滝口幸広さんが亡くなって早4年。 いろーんなことが起きた4年間。 わたし自身も、たくさん変化した4年間。 なんで今この世界にたっきーがいないんだよバカヤロウ って思うこと、今でもある。 なんでいなくなっちゃったんだよバカヤロウ って、空を見て思うこともある。 でも、わたしは今日も生きている。 これからも、生きていく。 滝口幸広のファンとして。 このところ、たっきーを想うと寂しくなることの方が多い。 サッカーW杯とかWBCとかバスケとかラグビーとか、

    • "うつ状態"を自覚した話

      9月初頭、初めて新型コロナウイルスに罹患した。 3日ほど高熱が続き、その後も倦怠感が拭えず 療養期間中も横になって過ごすことが多かった。 味覚・嗅覚異常も、異様な咽頭痛や頭痛もなかったので、 症状としては軽い方だったのだと思う。 土日を含めてまるっと1週間以上仕事を休み 復帰した月曜日。 あいかわらず体は怠く、しんどかったが なんとか1日を終えることができた。 はじめに異変を感じたのは、その夜。 翌日のことを考えると、やたらと胸が沈んだ。 沈んだ、というか、胸の奥がキュ

      • 8月31日の夜だから

        #8月31日の夜に このハッシュタグに初めて想いを寄せてから5年。 あの頃わたしが出会った10代の子たちは あの頃わたしの言葉に出会ってくれた人たちは あの頃、この広いインターネットの世界ですれ違った人たちは 今どんなふうに過ごしているのだろう? そんなことを、いま思う。 5年前には想像もしていなかった 別れがあり 混乱があり 出会いがあった。 5年前には想像もしていなかった 今を生きている自分がいる。 5年前のわたしは、 10代の子に向けた言葉を紡ぐことで、 自分自身

        • クロのお名前

          クロ という名前は保護施設にいたときにつけられたものだ。 クロと出会うまではいくつかつけたい名前の候補があったのだけど、いざクロに出会ってしまったら、「じゃあクロでいっか」となってしまった。 黒いから、クロ。 なんの捻りもないストレートなその名前はとても呼びやすく覚えやすい。しかし、老若男女問わず人間たちには愛されているものの、本人(本犬)においてはいまだに馴染む様子がない。 家族に「クロ」と呼ばれ、散歩をしているときにご近所さんに「クロちゃん今日もかわいいねえ」と声を

        一番星を抱きしめて

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        • #8月31日の夜に #夏休み延長戦
          13本
        • エッセイ
          23本

        記事

          クロと散歩

          クロは散歩が大好きだ。 ネットで調べたところ、チワワはそれほど散歩を必要としない犬種のようなのだけど、クロはリードを見せるととにかく喜ぶのだ。 家にいるときはほとんど寝てばかりいるのに、どうやらリードを見た瞬間スイッチが入るらしい。くるくるくるくると得意の高速右回りを繰り出し、しゃがんだ私の膝に飛び乗る。リードをつけると待ちきれないとばかりに玄関に駆け出し、早く開けろとドアをがりがり引っ掻く。 とはいえ、外に出てもいの一番に飛び出すわけじゃない。まずは玄関周りの匂いを慎重

          クロと暮せば

          我が家に家族が増えて、丸一年が経った。 名前はクロ。現在12歳。 ブラックタンの、オスのチワワだ。 散歩と食べることと眠ることが大好きで 甘えん坊というよりは、ちょっぴり気難しい子。 でも、自分の気分次第で甘えてくることもある。 猫のように気まぐれな、お犬様。 保護犬だった彼は、去年の11月 正式に我が家の愛犬となった。 彼が家族になってくれたおかげで 私の生活と心模様は変化した。 そんな愛おしい変化をくれた彼との日々を これから少しずつ、書き綴っていきたいと思う。

          クロと暮せば

          夢とうつつの狭間で

          昨日は故・滝口幸広さんのお誕生日でした。 生きていれば36回目のお誕生日。 おめでとう、たっきー。 生まれてきてくれて、ありがとう。たっきー。 * このところ、たっきーを想うと少し心の輪郭がぼやける。 たっきーのことが大好きだった5年間が、なんだか夢の中の話のようで。 滝口幸広という妖精が見せてくれた、とても素敵な夢だったんじゃないかって。 そんな気がしてしまう。 だけど昨日、久しぶりに『滝口炎上』の映像を見ていたら、 あの頃の日々や、その記憶、『炎上』を観てホテルに

          夢とうつつの狭間で

          うつの私を越えてゆく

          2020年9月、『うつ病』という診断を受けて丸10年が経った。 10年というのは、なかなかにすごい年月だと思う。生まれたての赤ちゃんはランドセルがすっかり板についているし、ランドセルガールはお酒が飲めるようになる。アイドルならベストアルバムをリリースしたりする、そんな年月だ。それだけの日々を、わたしはうつとともに生きてきた。 ずっとうつ状態だったわけじゃない。10年の間に私は何度も居場所を換え、なんとかかんとか進んできた。進学、退学、就職、転職。18歳から28歳までの10

          うつの私を越えてゆく

          永遠の推しと、推しに負けたくない私。

          2020年11月13日。滝口幸広さんが亡くなって、今日でちょうど1年。 今日は1日、なんだかぼーっとしていた。もっと寂しくなったり悲しくなったり、いろんな感情になるかなあと思っていたけど、想像よりも私の心は穏やかだ。 今、『るの祭典』の音源を聴きながらこの文章を書いているけど、久しぶりに聴くノブとヨメの歌はやっぱり面白すぎて笑えてしまう。なんなんだこの歌。なにしてんすか信長様。力が抜ける。そしてその次のアドベンチャーマン。なんなんだこの人たち。また力が抜ける。本当に、本当

          永遠の推しと、推しに負けたくない私。

          アイドルたちのSTORY

          大好きなアイドルが、今日も同じ空の下に生きている。たったそれだけのことが、こんなにも私に勇気をくれる。 2次元のアイドルにも興味を持ったことはあるし、好きか嫌いかと訊かれれば好きだと答える。だけど、私が好きなのはやっぱり3次元の、自分と同じ時を生きているアイドルだなあと、先日、音楽特番を見ていて改めて思った。 アイドルだって生身の人間。だから楽しい。スキャンダルも脱退も熱愛も解散も、ぜんぶまとめてアイドル。だから、愛おしい。 まだまだ子どもだった頃、私はとあるアイドルを

          アイドルたちのSTORY

          2020年の、 #8月31日の夜に 。

          なんだか特別だったらしいこの夏。 文章が書ける気配がぜんぜんない。 だから今年は省エネでまいります。 そんな年が、そんな日が。 あってもいいよね。 あっていいんだよ。 過去のわたしが書いた文章を いくつかピックアップしてみます。 誰かの心へ届いたらうれしいです。 △▲△ あなたの悲しみは、あなただけのもの (あなたの苦しさを、誰かのそれと比べたりしないで) わたしはどうして生まれてきたの? (生きることに理由なんていらない) 10代の私に心からのアイラブユーを

          2020年の、 #8月31日の夜に 。

          先ず飯より始めよ

          【読み】まずめしよりはじめよ 【意味】何か事を成したいときにはまず美味しいご飯を食べるところから始めるといいという(エセ)ことわざ 【類語】腹が減っては戦はできぬ 【原型】先ず隗(かい)より始めよ △▲△ カフェでとてもおいしいごはんを食べた。 食べることは生きること。おいしく食べることは、身体はもちろん、心にも栄養をくれるんだな、とあらためて感じている今日この頃である。 「おいしいものが食べたいなあ」と思うことができたら、それは心がちょっと元気になってきた証拠でもあ

          先ず飯より始めよ

          世界にはやさしさが溢れている

          世界は、まったくもってやさしくはない。 だけど、この世界にも、やさしさはたくさんある。 △▲△ 怒り。悲しみ。不安。不満。差別。偏見。暴力。ハラスメント。悪意。 毎日毎日、そんな感情に触れ続けている気がする。今日も世界のどこかでたくさんの人が怒っていて、悲しんでいて、傷ついていて。そんな情報に触れる自分自身もまた、息苦しさを抱えながら、生きている。 生きることは、とても苦しい。 特に今は、先の見通せない不安や、簡単に目についてしまう悪意に毎日侵されていて、とてもとても、

          世界にはやさしさが溢れている

          推しという名の偉人について

          5月29日。数年前までは、ただの365分の1日だった日付。今日は、昨年急逝した俳優・滝口幸広さんのお誕生日だ。 滝口さんの誕生日になると、私はなぜか毎年、彼をお祝いする気持ちとともに、自分の人生を振り返ってしまう。自分の誕生日はどちらかといえば家族や友人に感謝して過ごす意識があるので、一年の中で一番、自分の生きてきた道や、自分の心の中を見つめる日かもしれない。他人の誕生日になにをやってるんだとも毎年思うが、なぜかやめられない。理由はわからない。でも、きっとそれだけ大きな存在

          推しという名の偉人について

          滝口幸広さんというひと

          たっきーがこの世を去って早1ヶ月。 実感なんてものはあいかわらず微塵もなくて、ただ心のありとあらゆるところに、彼の存在を感じている。 たっきーは私にとってお守りだった。心の支えというより、お守り。心の中というよりかは、ポケットの中にそっと存在しているような。 パワーがほしくなったとき、私はふとポケットの中にお守りがあることを思い出して、そっと触れたり、軽く握ってみたりする。そうすると、あたたかくて柔らかいそれは、仄かにだけど確かに、私にエネルギーをくれる。 私にとって、滝口

          滝口幸広さんというひと

          これが最後のファンレター

          夢だろうと思った。 ドッキリなんだろうとも思った。 でも、朝目が覚めたら、現実がより現実になっていた。 推しが死んだ。 漫画やアニメの中の話じゃない。 現実にいた、大好きな俳優さんが、急逝してしまった。 * 滝口幸広さんを知ったのは、今から5年も前のこと。友人から借りた『大江戸鍋祭』と『僕らの図書室』を見て、彼という存在を知り、"舞台"という世界を知った。 たっきーや、るひまわりさんの作品を見たくて、その年末、初めて東京まで舞台を観に行った。あれから5年が経つけれど、

          これが最後のファンレター