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『激レアおしごとファイル』の担当編集がTBSラジオのおしごとを見学してきた話

こんにちは。地域によると思いますが、子ども達はもう夏休みですね。うらやましい…。ああでも、夏休みの宿題がありますね。山のようなドリル、つらかったなあ。でも、自由研究は楽しかったなあ。
そんな事を考えていたら、先日発売になった雑学読み物『これでかせげる⁉ 激レアおしごとファイル』の著者、カルロス矢吹さんが、TBSラジオさんの人気番組「赤江珠緒たまむすび」にご出演されるという話を聞きつけました。これは、ラジオの収録現場を見学させていただくチャンスでは?

今回は、気分だけ夏休みの自由研究ということで、大人の社会科見学です!

▲というわけで、TBS放送センターへやって来ました。

矢吹さんとともにTBS放送センターを訪問。この中にTBSラジオやTBSテレビのスタジオがあるんですね。さながら「エンタメの城」というたたずまいです。

エレベーターでTBSラジオのフロアに降り立ち、廊下を進むと、見えてきましたスタジオです! その隣に併設されているのは、サブブースというやつでしょうか。ミキサー機材がかっこいい!
慣れた様子で本番前の進行確認に入る矢吹さん。実は“放浪する取材ライター”として、多くのメディア出演を経験されているのです。きょろきょろしながら「しゃ、写真撮ってもいいですか?」などとはしゃいでいる編集者(私です)が、ひときわ浮いています。

▲サブブース脇で進行を確認する矢吹さん。

そこへ番組のディレクターさんが登場。トークの内容について、最終確認が始まりました。

D「パーソナリティの赤江さんが“興味あるのはこのお仕事”というお話をするので~」
矢「ぼくが “鳥のフン集め”とかを出す感じで~」

そう、申し遅れましたが、矢吹さんにご執筆いただいた『これでかせげる⁉ 激レアおしごとファイル』は、世界中のレアなお仕事、ニッチなお仕事だけを集めて紹介する、ちょっとかわったお仕事紹介本なのです。

世界中のニッチすぎる職業だけをあえてピックアップした、新感覚のお仕事本です!

番組内でけっこう触れていただけそうだな、ありがたい! などと考える間も打ち合わせは進みます。

D「執筆で気を付けたところ、苦労したところとかあれば~」
矢「子どもが読む本ですから、公序良俗に反しないとかですかね(笑)」
D「苦労したのは、赤がいっぱい入りました、とか?」

あ、そこ触れちゃいますか?
「赤」とは、出版の世界では「赤字」の略で、「ご原稿に対する編集からの修正提案」を意味します。原稿に対して、色々な理由から書き直しをお願いするのを「赤を入れる」というのです。例えば、「ここで使っている『燦爛たる』という言葉は、読者には伝わりづらいと思うのでやさしく言い換えできないでしょうか」とか「ここの『テトラポッド』は登録商標なので一般的な名詞の『消波ブロック』にしましょう」とかいう感じです。
編集における大事なプロセスのひとつですが、著者さんにとっては「これでいい、これがいい」と思って書き上げた原稿にダメ出しをされている訳で、面白かろうはずがありません。
編集者としても、修正をお願いするのは心苦しいものです(それでも、必要があると思えばやりますが)。
矢吹さん、放送でそこに触れちゃいますか? いえ、何がまずいという訳ではないのですが、ただ編集者が気まずいだけなのですが!

▲サブブースに入れていただきました。右に座っているのがディレクターさんです。

そうこうするうちに本番開始です。矢吹さんが出演されるのは「おもしろい大人」のコーナー。ライター・構成作家としてマルチに活躍する矢吹さんが、最近、幼稚園のPTAの役員を始めた話題からスタートです。PTA活動の一環で、保護者向けのピラティス大会を運営された、と。なるほど(?)。
 見ていると、サブブースのディレクターさんが、トークがひと段落つく絶妙なタイミングで次の話題へうつるよう合図を出しています。こうして全体の流れをコントロールしているとは知りませんでした。

▲「菅田将暉さんに似てきてない?」といじられる矢吹さん。わかる…。

それにしても矢吹さん、しゃべりが流暢です。先ほどの打ち合わせは結構ざっくりだったというのに。言語化する力が高いのでしょう。言葉を扱うお仕事、恐るべしです。

▲全員マスク着用&アクリル板越し&ディスタンス確保での収録です。

そして話題はいよいよ、矢吹さんの新刊に。

矢「子ども向けのキャリア教育の本ですが、世の中には、世界で4,5人しか就いていない仕事もあれば日本ではまったく知られていない仕事もある。そういう仕事を紹介することで、子ども達には視野を広くもってもらいたい、というものです」

 まさに! まさに、そういう本なのです。さらに、赤江珠緒さんはじめ他の出演者の方々も「まりもまるめ」や「トイクラッシャー」、「バンジーテストジャンパー」など、作中の気になるお仕事をあげてくださり、矢吹さんがそれらを解説。スタジオが盛り上がります。うーん、話を聞くだけでも楽しそう!
 ちなみに、矢吹さんが選ぶラジオ好きな人におすすめの仕事は「地球儀職人」。手仕事の作業中に、ラジオを流しっぱなしにできますからね。

▲言うのか、言わんのか⁉

やがてコーナーも終盤。「大量の赤字で苦労した話」は出るのでしょうか?
赤江珠緒さんが「今回初めての児童書でしたけど…」と水を向けます。どきどきしながら聞いていると—

矢「執筆する時は、最初の読者である編集者の顔を思い浮かべながら書くことが多いですが、今回は小学生の姪っ子・甥っ子の顔を思い浮かべて、あの子たちが喜ぶかな、と思いながら書きました」

いい話だった!

いや、本当にありがたいです。そうしていただくのが一番です。「読者目線で」って、言うのは簡単ですが、やはりとても難しいものです。矢吹さんに対象年齢ぴったりの甥御さん・姪御さんがいたのは、編集としては完全に棚から牡丹餅でしたが、その点でもご執筆をお願いしてよかったです。

コーナーの方は、最後にもう一度赤江珠緒さんが本の概要を紹介してくださり終了。弊社の宣伝部から発注してましたっけ?と思うほどの完璧なプロモーションになったのではないでしょうか。


 放送の様子は、7月27日まで下記のアーカイブで聴けるようなので、よろしければ聴いてみてください。
「TBS RADIO 赤江珠緒たまむすび 2022年7月21日(木)おもしろい大人」

 個人的にもめったにない経験ができ、放送業界で働く方のお話もうかがえ、良い社会科見学になりましたので、子ども達をうらやむ事なく、自分のお仕事に励みたいと思います。

カルロス矢吹さんにご執筆いただいた『これでかせげる⁉ 激レアおしごとファイル』が気になった方は、こちらから!👇