初任の1年間〜崩壊と立て直し〜
私は本当にだめだめな担任でした。
子どもたちは私のことが大好きでいてくれました。
先生を助けたい、クラスをなんとかしたい。
子どもたちのそんな思いとは裏腹にどんどんクラスは崩壊していきました。
まず私自身の反省点。
それはまったく叱ることができないということ。
子どもが可愛すぎて、どうやって叱ったらいいかまったく分かりませんでした。
クラスはどんどんガヤガヤしていきます。
そんな中どうにかしようとした学年主任が授業中に入ってきてくれることがありました。
鬼のように恐れられている学年主任。
(彼は3年生からの持ち上がりでした)
主任が入ってきた瞬間だけシーン。
「お前ら先生の言うこと聞かずに何してんだよ。」
子どもたちは怯え、その時だけ静かになります。
隣のクラスは担任がいなくても良くできている。
そんな劣等感をみんな感じていたように思います。
給食だって完食できない。
静かにできない。
うちはダメなクラス。
最悪な雰囲気でした。
何度もクラスで話し合いをしました。
もともと力のある子どもたち。
「クラス会議」と名づけて、どこを変えていきたいか、何が悪いのか、考える日々が続きました。
子どもの言うとおり「クラス会議」なるものを開く私。
これ、良くないですよね。
先生が子どもの言いなり状態。
この時の私は全然それに気づいていませんでした。
前期の終わり頃、クラスは本当にあと一歩のところでぎりぎり成り立っていました。
授業はできる。
そんな感じの状態。
子どもが私のことを好きでいてくれたから、なんとか大崩壊はせずそこまでぎりぎりで立っていられたと思います。
私は、特活が専門で、昨年度3年生の担任をしていた先生に助けを求めました。
これがクラスを変えていく活路となります。
まずクラス会議について。
「クラス会議でどんなことを話し合っているの?」と聞かれました。
「クラスの治した方がいいところをみんなで出して、どういう風にしていけばいいか話し合っています。」
この会話の前日にもクラス会議を開いていたところでした。
・話が聞けない。
・すぐに座れない。
・号令まで時間がかかる。
子どもたちからはたくさんの「クラスの悪いところ」があがりました。
悲しくて、悔しくて、
私はそれを一つ一つ板書していました。
すると1人の男の子が言いました。
「先生?このクラスの良いところは聞かないの?」
私はその質問を「今悪いところあげてるから待ってくれる?」と流してしまっていました。
その話を特活の先生にすると、
「そうだね。じゃあみんなから悪いところを聞くのはもうやめて、良いところを聞いてみようか。」
「良いところがたくさん出たら、こんなに出来ることが増えたんだから前期がんばったねのパーティをしよう!って提案してごらん。」
とのお話がありました。
パーティのやり方についてはまた別の記事で書くとして、この方法がこのクラスにはとても合っていました。
企画力のある子たち。
今まで悪いところばかりに目を向けさせていたのは私でした。
良いところを聞くと、本当にたくさんあがりました。
子どもたちの顔は明るく、しばらく見たことがないほどイキイキしていました。
私はクラスに足りないものがけじめだと思っていましたが、違っていたのです。
この子たちに足りなかったのは圧倒的に「認めてもらう」ことでした。
隣のクラスから怒鳴り込んできて主任に怒られ(もちろんこれは私を助けようとしてのことでしたが)、
朝礼などで並ぶのも時間がかかって遅い、
給食は完食できない。
自信をなくしていく私と同じように、子どもたちもどんどん自己肯定感を失って潰れていたのです。
パーティは大成功し、そこからは前期とは見違えるほどイキイキと明るいクラスになりました。
今でも心に残っている初任の時の出来事でした。
※後日談ですが、翌年も別の子たちに同じことをやってみたのです。まーったく効果がありませんでした。
これをしたら立て直せる!という話をしたいのではなく、もちろんただの一例です。
3年生の時担任をしていて、子どもたちのことをよく理解している先生だからこそ、この子たちに合ったアドバイスをくれたのだなあと一年越しに気づいた私でした。
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