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ぽっぺのひとりごと(16) なかよし英語クラブ 初日

3年半ぶりに子供達に英語を教えることになった。中学生にオンライン授業をしていたけど、ライブは久し振り。
場所はバスで15分+徒歩13分の所にある小学校の学童保育クラブ。午後1時半から2時半までという暑い暑い時間帯だが、子供達に会える嬉しさで、張り切って坂道を登っていった。

着いてびっくり。1年生から3年生までの50人が蜂の巣をつついたような大騒ぎ。5、6年生もいると思っていたので当てが外れた。用意してきた手作りプリントの半分は役に立たない。7月末から8月後半までの月曜日、全4回でまとめてくださいとの要望だった。

たった4回、4時間で何ができる?
英語と日本語の決定的な違いーー主語の後には動詞が来て、説明はその後に来るーーを教え込み、最後の会には短くても「英語でしゃべれたよ」と言えるように計画を立て、カードやプリントを作った。
主語は I だけにして、動詞は am・like・go・playなど言いやすいもの。目的語の部分は hungry・soccer・park・Tokyoなど色々用意して、「カード3枚で言えてしまう。英語って簡単だね。」という風にもっていきたかった。

私が甘かった。50人ものチビッ子が勝手なおしゃべりをしているので、いつまでたっても始められない。スタッフの方々の「静かにしなさい!」と、私の「聞いて!」が空しく響く。やっと始めたものの、参加している児童はわずか10人くらい。
私はコロナ感染対策として二重マスクをしているので、マイクを借りていた。それなのに誰かが「聞こえなーい」と言うと、次々に「聞こえなーい」が伝染して大合唱。奥の事務室から先生が飛び出して来られて、「いい加減にしなさい!聞こえないはずないでしょ!先生にはハッキリ聞こえましたよ!」と言われた。そう、聞こえないのではない。聞く気がないのだ。叱られる時は全員だから平気なのだ。

私は予定を変更して、折り紙を取り出し、「この色、英語でなーんだ?」をやる。子供達は「青はブルー」「赤はレッド」「黒はブラック」なんて、みんな知ってる。乗ってきたところで中間色を取り出す。
「これ、何色?」「きみどりー」
「英語じゃないじゃん」「・・・???」
「じゃあ、頭の体操よ。黄色と緑を混ぜてできる色なんだから、黄色と緑を続けて言えばいい、それだけ」これが低学年の子にはなかなか言えない。
もう一つ、面白いと思うのはピンクを日本語だと思っていることだ。「ピンクは英語よ」と言うと、「ええーっ」となる。「ももいろ」を知っている子はいない。
「ピンクだけじゃない。ベッドもドアもスプーンも英語だよ。みんな毎日使っているじゃない。聞いて覚えたんだよね。じゃあ、新しい言葉も聞いて覚えようよ。お返事は?」「はーい」

おっと、さあ!というところで、Time is up !
今日は1時間のうち半分は「静かに!」で終わったことを反省。でも、最初と最後の挨拶の練習ができたから良しとしよう。

こっちを向いている子は2人しかいない。左の男の子は腕を伸ばしてアクビをしている。



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