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フランスの洗濯事情

以前も記事に書きましたが、フランスの水は硬水です。ミネラルが多いため、味は軟水に比べてクセがあり、洗剤などは泡立ち難いです。加えてフランスの場合はカルケル(炭酸カルシウム)が多いので、水分が蒸発すると白い結晶が残ったりもします。

そのため、大量の水を使う家事、洗濯のやり方も日本とはやや異なります。今回は、私が体験した、地域の異なる2件の寮とコインランドリーの洗濯を紹介します。

普段滞在している寮の洗濯事情

場所:0階(日本でいう1階)
洗濯機:2台(3kgまで)
乾燥機:2台
洗剤類:必要
所要時間:洗濯約40分、乾燥約50分、計約90分(最短)
費用:洗濯3€、乾燥1€、計4€

普段滞在している寮には0階(日本でいう1階)に洗濯室があり、そこで洗濯を行います。8時から20時まで毎日解放されています。私の寮にはドラム式洗濯機が2台、乾燥機が2台ありますが、同じ大学寮でも、寮によってはもっと多くのマシンがある場合もあります。

洗濯洗剤や柔軟剤は各自で用意します。私は両方とも液体を使いますが、中には粉洗剤を使う学生や、ジェルボールを使う学生もいます。フランスのスーパーには洗濯洗剤や柔軟剤がずら〜っと並んでいるので、選ぶのも楽しいです。日本でお馴染みのアリエールやレノアなどもあるので、心配な人は馴染みのある名前の洗剤を買うと良いと思います。

尚、フランスでは洗濯機の故障を防ぐために、カルケルを中和するための石灰中和剤を数回に一度入れる必要があります。しかし、寮の場合は洗濯機を共有しているからか、洗濯室で会った学生の中で中和剤を入れる姿を見たことがありません。私は中和剤を洗剤と一緒に買っていたので、自分が洗濯するときは使うようにしています。洗濯機が壊れると困るし……。ちなみに、中和剤はお酢で代用することも可能です。

洗濯機、乾燥機を使うには寮費とは別に使う度に支払いが必要で、洗濯室にある機械にクレジットカードをかざして支払いを行います。もう少し詳しく書くと、カードをかざした後、洗濯機又は乾燥機に付いている番号を押し、エンターボタンを押して少し待つと支払いが完了します。その後、支払いをした洗濯機や乾燥機のコースを選んでボタンを押すとマシンが動き始めます。

ちなみに、支払いの金額は洗濯が1回3€、乾燥が1回1€です。よって、洗濯を一通りすると4€かかります。そのため、出来るだけ洗濯の回数を少なくしたいのですが、私の寮の洗濯機は一度に洗濯できるのは3kgまでという……。今のところ、どうにか週1回程度に抑えています。

洗濯の所要時間ですが、洗濯機は水温で30度〜80度まで、材質や色によって6種類の中から選べて、couleur fragile(水温40度くらい)で大体40分かかります。乾燥機も高温と低温があり、blanc(高温)で大体50分かかるので、最低でも1時間半は必要になります。なかなかの大仕事なので、暇な日にしかできません。

また、マシンの故障も多く、つい最近まで4ヶ月ほど乾燥機が一台壊れていたので、複数の学生が同じ日に洗濯してしまうと、乾燥するのに長時間の順番待ちが発生することもありました。すぐに直してくれないところがフランスらしい……。加えて、「マナーが悪い」と一定期間洗濯室が閉められてしまうこともありました。(それゆえにコインランドリーに行ったことがあります)

洗濯ネットに入れて洗濯すると、服の回収し忘れがなくて便利です。時々床に靴下が落ちていたりします。フランスでも最近は洗濯ネットが売られていますが、洗濯ネット大国の日本のラインナップには到底敵わないので、日本から持ってくることをおすすめします。

リヨンの寮の洗濯事情

場所:0階(日本でいう1階)
洗濯機:6台
乾燥機:2台
洗剤類:不要
所要時間:洗濯約40分、乾燥約50分、計約90分(最短)
費用:洗濯約3€、乾燥約1€、計約4€

リヨンの寮も普段滞在している寮と同様、0階に洗濯室があり、大きな寮だったこともあってドラム式洗濯機は6台ありました。乾燥機は2台しかなかったのですが、リヨンの寮の場合は私が普段住んでいる部屋よりもかなり広いので、部屋の中にロープを張れば部屋干しもできるみたいです。

使い方は普段滞在している寮と同様、カードをかざしてからマシンの番号を押し、エンターボタンを押して、マシンのコースを操作します。費用も似たような金額だったので、CROUSの管轄する寮なら洗濯は1回あたり4€程度のようです。

この寮の洗濯機は重量制限は書かれていなかったのですが、ドラムの感じからおそらく6〜7kgは洗濯できそうです。所要時間は洗濯機が洗濯物の重さを測って決めるみたいで、私の場合は40分〜1時間程度です。乾燥機も洗濯物の乾燥具合で決まるようで、大体1時間程度かかりました。洗濯機のコースは私が普段滞在している寮と同様でしたが、乾燥機のコースはより細かく設定することが可能で充実していました。

そして、この寮の洗濯室の特徴は洗剤を個人で買う必要がないこと。洗濯機に洗剤、柔軟剤が内蔵されているタイプの洗濯機でした。洗濯が終わった服を嗅いでみるとほとんど匂いがしなかったので、内蔵されている柔軟剤はほぼ無臭のようです。その分、生乾き臭が目立つので、完全に乾いていない洗濯は軽く部屋干しすることをおすすめします。

コインランドリー

場所:屋外
洗濯機:2台(8kgと18kg)
乾燥機:1台(18kg)
洗剤類:不要
所要時間:洗濯約40分〜、乾燥15分〜、計約65分(最短)
費用:洗濯4€〜、乾燥2€〜、計6€(最低額)

寮の洗濯場が閉められてしまった時に、仕方なくコインランドリーにお世話になりました。私の最寄りにあったのはチェーン展開している屋外設置のものですが、店舗型のコインランドリーもあります。

コインランドリーの場合、洗剤を持参する必要はなく、洗濯機の値段は使うマシンの大きさで変わります。8kgのものは4€、18kgのものは10€です。乾燥機は使用する時間によって異なり、15分あたり2€なので、15分だけ使えば2€、30分使えば4€かかります。

支払いはクレジットカード、あるいは硬貨(2€、1€、0.5€)です。コインランドリーの場合は、カードを挿し込んで暗証番号を打つ必要があります。お札の挿入口もありましたが、私の使ったコインランドリーにはお札不可と書かれていました。

使い方は寮の洗濯室と似ていて、お金を払った後、コースを選択してスタートボタンを押します。寮の場合は待ち時間に部屋に戻っていても構いませんが、コインランドリーの場合は、いくらドアがロックされるとはいえ、マシンが止まるまでその場で待っていた方が安心です。また、洗濯ネットに入れておくと、人目も気にしなくて良いし、洗濯機から乾燥機への入れ替えも楽です。

こうやって金額を見ると、寮の洗濯室の価格は良心的です。特に乾燥機。正直、業務用の乾燥機で高温で乾かしても、1週間分の洗濯物を乾かす場合、やはり15分では乾き切っていないので、しっかり乾かしたい場合は30分は乾燥機にかけることをおすすめします。


フランスに留学する際、寮に滞在するなら寮の洗濯室にお世話になることが大半だと思います。ただ、自分はきれいに使っていても他の学生が汚く使うと、その余波を喰らうこともあります。その際は、近くの寮の洗濯室を借りるか、コインランドリーに行くしかありません。まさか、人生初コインランドリーがフランスとは、私も思ってもみませんでした。

コインランドリーは学生寮の洗濯室と比べればやや割高ですが、洗剤持ち込み不要で大量に洗濯することができます。寮の設備で2回、洗濯しなければならないとなれば、コインランドリーに行くのも手です。

水質が異なるので日本とは若干勝手が違うものの、洗剤を入れて洗濯機に任せる点は同じなので、慣れればフランスでも簡単に洗濯することができます。洗濯ネットに入れていれば、白物色物柄物ごちゃ混ぜで洗濯しても意外と大丈夫です。

フランスでも良いお洗濯を。

Au revoir !

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