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冒頭20分でウラシマ効果を浴びる。映画『バズ・ライトイヤー』

「トイ・ストーリーの主人公」といえばカウボーイ人形のウッディだが、謎の「スペースレンジャー」バズ・ライトイヤーの物語はこれまで語られてこなかった。

トイ・ストーリー1作目で「謎の襲来者(おもちゃ)」として登場したバズ。
彼がおもちゃになったきっかけの映画作品が今回の「バズ・ライトイヤー」だ。

ディスニー作品だしある程度ご都合ファンタジーSFなんでしょとたかを括って見に行って、冒頭の数十分で引き込まれてしまった。
まさか、ディズニー作品内で「ウラシマ効果」を聴く日が来るなんて!!!!!
超光速で移動する度に、バズを残して進む時間。同僚だった女性が結婚し、子を授かり、その子の結婚を見届け……何度も何度も、諦めずに超光速に挑んだ果てに、女性の最期も看取ることができない。
「いつものディズニー作品」なら、そこまでの試練を課さないのに!

飛び続けて辿り着いた時間でバズにはさらなる試練が待ち受けるが、ぜひ作品を観てほしい。

あらすじから離れて、この映画の秀逸な点は「質感」だ。
ベタつくハム、ざらつく大気、劣化した機械、異質な宇宙船、そして音の無い宇宙空間。
ライティングと様々な素材表現が組み合わさり「アニメーション映画」とは思ない没入感を生んでいる。

正直、もうこの映画を実写でやったら良いのに……とすら思った。

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