プロレスの受け身の練習

〜プロレスに欠かせないもの〜

プロレスには受け身が欠かせない。
日常生活ではあり得ないような衝撃から頭部や内臓を守るためだ。

日本のプロレス団体では、前受け身や前周り受け身、横受け身や後ろ受け身など様々な方向への受け身を何千回何万回と練習する。
その中でもとりわけ後ろ受け身を一番重要視する。

〜後ろ受け身〜

後ろ受け身とは呼んで字の如く、真後ろに倒れた時の為の受け身だ。

しっかりとアゴを引いて頭を打たないようにして、両手を広げて思い切りリングを叩き、体が触れる面積を可能な限り増やして衝撃を分散させる。
自分が立っている場所に背中を持っていかなければいけないので、一瞬空中でフラットに浮くような姿勢になる。
柔道の後ろ受け身ともまた形が違うものだ。

修得するためには、段階を踏む。
寝た状態でリングを叩くだけの練習、中腰でゴロンと転がる練習、中腰で足を抜くようにしてバタンと倒れる練習、徐々に立った状態に近付けて受け身を取っていく。

正確なフォームで受け身を取れるようになったら、どんどん回数をこなす。
先輩に倒されて受け身を取っては起き上がり、受け身を取っては起き上がり…。
最終的には50本連続とか100本連続で受け身を取れるようになって、デビューに至るのだ。
(もちろん他の技術も同時進行でレベルアップしなければいけない。)
もちろん身体中が痛くなるし、息は上がって立ち上がることも出来なくなるが、試合をする為には必要不可欠な練習でもある。

何故なら試合中はどんなにダメージを負って意識が混濁しスタミナが無くなったとしても、受け身だけは正確に取らなければ自分の命を守れないからだ。

だからこそ、どんな極限状態でも受け身を取れなければならない。

そんな意味合いの練習なのだ。

と、まあこれが日本流の受け身の練習だが、メキシコはこれまた事情が少し変わってくる。

〜続く〜

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